ちばやま

ちば山の会2001年3月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



「雪崩事故を防ぐための講習会」に参加して。

 2月10日〜12日の期間に開催された「雪崩事故を防ぐための講習会」(通称:全国雪崩講習会)に、昨年に引き続き参加したので報告いたします。

 参加者は、渡辺トシちゃんと倉ちゃんが基本クラス、昨年に基本級を受けた愛子さんと私が中級クラスです。

 昨年同様に、中央アルプス駒ヶ岳ロープウエイに乗り込み、ホテル千畳敷へと向かった。ホテル泊まりと言うことで、4人に緊張感は見られない。
 この講習会は、事前レポートを提出しなくてはならないのですが、添削されて、講習会の前日に帰ってきたレポートには「全体に勉強不足と思われます。もう一度テキスト最新雪崩学入門の16ページから51ページまでをとくに読み返しておいて下さい」と、講師からのきつい御言葉が添えられていました。だからといって、その後勉強し直したわけではない。

 この講習会は、基本クラス、中級クラス、上級クラス(雪山、アルパイン、山スキー)、レスキュウー、講師養成、に分かれて講習がおこなわれています。最終的な目的は雪山登山中に雪崩事故に遭わないための講習会です。
 基本クラスは雪崩に関する基礎知識、危険予知テストの体験、事故者捜索の体験などを中心におこなわれ、深くは突っ込まないものの雪質観察、弱層テスト、埋没体験、ゾンデレーンなど一通りを体験します。まさに雪崩の基礎を学ぶクラスです。
 中級クラスは雪崩に至る雪質を判断する事を学ぶクラスで、当然の事ながら基本級、もしくはそれ相当の講習会や、知識を有することが受講資格です。基本クラスでは、雪質観察の方法を学んだのですが、中級では雪質を判断するまで至るのが目的となります。
 上級クラスでは、更に総合判断を学び、行動を判断する講習になるのだと思います(受けていないので詳しくは解らない。)

 昨年受講したときに、「中級は一日中穴掘りばかりだ!!」と聞かされていましたが、蓋を開けてみてもその通り、穴掘りと雪質観察だけの三日間でした。

 初日は開校式の後、弱層テストと雪面観察。

 今年から、災害救助犬(雪崩犬)も一緒に参加している。人間がビーコンを使って探すよりもずっと早いようだ。そんな雪崩犬の訓練を見学しつつ、我々中級クラスの生徒はひたすら雪かきをして雪質の観察に追われる。夜は懇親会でべろべろに!

 二日目は5:30起床、朝6:00から雪原に飛び出し(約一名は2日酔いのため、テントキーパーならぬただの2日酔いオヤジに)、まずは朝飯前の早朝雪質観察!!ヘッドランプを灯けての弱層テスト!! 雪面にしがみついている私たちの背後に美しい御来光が、、、、あたり一面がピンク色につつまれ、今日一日の快適な講習を約束するようです。

 ホテルに戻り、即に朝食となる。食堂には軽やかなメロディーが生演奏されているて、私たちの心をなごませる。流れる曲は「箱根八里」「第九」「愛しのエリー」「遠き山に日は落ちて」など、世代も時間も選ばない曲が流れ続ける、、、弾いているのは怪しい帽子とサングラスに包まれた自称「雪崩ピアニスト」の新田隆三先生だ。

 天気は私との約束を裏切った、、、午前中にお日様は見えなくなり、雪がちらつき出し普通の冬山となった。この日も雪面観察のピット掘りで汗を掻き、講師の説明を聞いている間に冷やされる、、、の繰り返し、最も学術的で、ひたすら体力を使う講習だ!!。 今日の講師は雪氷学の川田先生!話せば話すほどマニアック(学術的に突っ込んでいく)になっていくので、実に興味深い。講習の目的が登山の為ではなく、雪氷学を学ぶことにあるのでは、、、と錯覚してしまう。

 屋外の講習が終わっても、レポートのまとめ、風呂、食事、座学、、、、と休む間もなく続く。「雪崩ピアニスト」の演奏もひたすら続く、、、、、夜の選択講習で私が受講したのは川田先生の「雪庇の話」!さらにマニアックに深入りしていく。更に日本一のビーコンコレクター中山さんの「ビーコンの全て」も、マニア度満点!!(この件はアバラングの件を含めて倉ちゃんから報告があるはずです。)

 最終日も5:30起床、6:00から屋外へ、、、、、最終日もひたすら穴を掘り、弱層テスト、断面観察、、、、、、雪かきの手つきも慣れたものだ。

 こうして充実した三日間は終了した。閉校式では何故か中級の生徒代表で挨拶をさせられてしまった。受けねらいで変態と弱層についてのギャグをかまそうと思ったが、ごく普通に一般的な感想を述べた。(私が受けないギャグを言ってみんなを困らせるのではないかと不安に思った人もいたようだ)

 最後に中級講習の目的は、「登山中に雪崩事故に遭わないために、雪崩の学術的根拠を学び、それを学術的に判断できる知識を得る必要がある。」と言うことでしょうか、この中級講習は学術的な事ばかりなので、「雪博士になるのが目的ではない」「そんなことより、行動判断を学びたい」という、不満が生徒の間からも出たりします。行動判断をするには、雪の情報を得なければなりません。正確な雪の情報を得る知識を身につける為の講習会だと思います。曖昧に弱層があるから山行の取りやめ、とか、霜ザラメがあるからいつも危ない、、という短絡的な発想に入らず、総合的な行動判断ができるようになるには、まだまだ私は経験不足のようです。誰か私を雪山に連れてって、、、、、

 来年はおそれおおくも上級を受講する予定なので、覚えたことが一年かけて消えていかないようにしなくては、雪を見たら愛子さんや私に「この雪、何?」って質問して!!
雪を見たら雪質観察!!これからの雪山山行にルーペは欠かせない!!

                         記:白井浩司




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