ちばやま

ちば山の会2001年4月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

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遠すぎた甲斐駒の頂


 3月の初旬、甲斐駒ヶ岳(2967m)を目指しました。

 選んだルートは、黒戸尾根横手登山口(780m)から一気に標高差2200mを登るルートです。
このルートは数年前に倉田君と挑戦し、豪雪に阻まれわずか1375m地点にて敗退(ビバーク)となった思い出と、屈辱のルートだ。  前回のように駐車場までの道に苦労することもなく、すんなりと横手登山口に到着した。我々の他に単独と思われるテントが一つ張られている。雪はほとんどない。

 出だしは、積雪もなくやぶ山の急登だった。天気も良く。鳳凰三山の稜線がよく見える。稜線を進む道と分かれ、左に小ピークを見ながらトラバースに入る頃、深雪となり深い壺足に足を取られる。先行トレスは何故か反対を向いている。「前回は、道を間違えたと思って、この斜面を登ってそこでビバークしたのさ!!。今度は、夏にチェックしたから大丈夫」などと言いながら、トラバースを進む。

 トラバースの途中で先行トレスは回れ右して、自分のトレス(壺足の跡)を忠実に引き返している。「おかしい、登山道はこっちなのに、、、、沢をトラバースして進むがそれ以上進めず、結局斜面を直登!!しかし、ふかふかの斜面は、30cm足をあげても、10cmずつしか登らない。それでも急登を登ると、前回のビバーク地点に到着した。そこから稜線づたいに黒戸尾根に向かう。稜線沿いが冬道のようである(今思うと当たり前だけど)。
 竹宇ルートと合流する頃には急登のラッセルでもうヘトヘトだ。合流地点は夏道よりずっと上部になる。
 そこからもトレスはあるものの、深い足跡が点々とあるだけで、ちっとも楽ではない。心の中で「雪の進軍」を繰り返す。 一応目標は5合目という事で頑張ろう。パーティーの速度は上がらない。そろそろ刃渡りかな?と言う感じの広場で小休止。みんな疲れ果てている。みんな疲れているから、刀(はり)天狗ぐらいかな?、、、、と一人思う。

 しかしその休憩ポイントから、刃渡りまでが長かった。刃渡りは、思ったより雪がついていた。ザイル無しで難なく通過。その後、刀天狗かと思ったが、その後が長かった。どっと疲れが出るが、やせ尾根の急登で休憩ポイントはない。やっとの思いでテントの張れそうな平地を発見!よく見れば、そこが刀天狗だった。今回の標高2048m、山頂まではまだまだ遠い。  4人用のテントにピッタリの隙間にテントを張り、若くて素晴らしい食当のおかげで快適なテント生活を送った。明日は天気が崩れるらしい。

 翌日は予想通りの悪天で、風はないが大雪だった。5合目まで進んで引き返そうかとも思ったが、結局そのまま帰路についた。前日のトレスはあてにならないほど消えている。ずぼずぼ潜って思うように進めない、雪が降り続いているので刃渡りではザイルを出した。  「昨日の思いをすれば、、、、」や、「正月の思いをすれば、、、、」と心に言い聞かせながら進む。途中のトラバースでは、趙さんがぶら下がったとたん枝が折れてしまった。あの枝は次回は使えない。「穂高よさらば」の替え歌で「甲斐駒さらば 又くる日まで、、、、」を一人口ずさみながら黙々と標高を下げていく。ぐんぐん下っても雪が残っている。
 結局、神社(駐車場)でも30cmの積雪。「来年こそは、、、、、」とお参りして、帰路についた。

 帰路の途中で温泉に寄ることになり、いつも立ち寄る塩沢温泉に向かう。すると途中信濃境に出来た道の駅にも温泉ができたので、「試しに、、、、」と思うもの駐車場が激混みだったのでやめて、いつもの塩沢温泉に、、、、。釜無川を挟んであっちは八ヶ岳の水で出来た温泉。こっちは甲斐駒の水で出来た温泉、、、、、なんて言ううんちくを聞きながら、疲れた体を癒した。

 甲斐駒の頂は遠かった。来年も同じルートをたどろう、、、と心に誓った4人でした。



                         白井浩司

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