ちばやま

ちば山の会2001年8月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



北岳バットレス第4尾根山行報告


<山行日>6月29日(金)〜7月1日(日)
<メンバー>CL富樫、渡辺三、高梨
<時間>6/28 千葉市役所発(22:30)、広河原着(2:00)
6/29 広河原発(7:30)、白根御池小屋着(10:10)、バットレス下見(11:00〜14:30)
6/30 雨のため停滞
7/1 御池小屋発(4:30)、下部岩壁帯(6:05/7:00)、4尾根(10:00/12:40)、山頂着(12:15)、広河原着(17:00)


 谷川一の倉南陵の後は北岳バットレスということで、富樫さんに連れられ渡辺三さんと三人で行くことになった。
もう20年近く前単独で縦走した時、八本歯から見たバットレスの迫力ある岩壁に圧倒された思い出がある。今回そのバットレスを登ることが出来非常に感激している。渡辺三さんにとっては初の北岳がこのバットレスとなった。

 1日は、3時半起床。その1時間位前まで小雨が降っていた。何となく嫌な気持ちで朝食を済ませ出発の準備をする。雨は上がっていたがガスっていたので「天気は大丈夫だろうか」と気にしていたが、富樫さんの「大丈夫!」の一言に期待しながら出発。二俣までは樹林帯の中を歩く。そこから大樺沢の雪渓をつめ下部岩壁帯に着く。この時もまだガスが立ち込めていて不安な気持ちは拭えていなかった。風もあり寒かったので雨具を着ての登攀準備となった。
 ここから岩の取付きまでの7〜8mの雪渓が今回の核心部となった。クライミングシューズでは滑ってしまい登れなかった。手にはピッケル代わりに石を持ち、せめてもの抵抗するが止まっているだけで精一杯だった。なんとなく情けなかった。富樫さんが、登山靴で登りザイルを出してれやっと取付きに辿り着く。ルートとしてはたぶんピラミッドフェース?を通り4尾根の取付きまで行ったのだと思うがよくわからない。3時間位かかった。2ピッチ目位まで濡れた岩場を登攀していたが、あっという間に雲も切れ快晴となった。日差しが痛いくらい強い。今日は、うちらの他に先行の1パーティーと山梨(白鳳会)の男姓と(稜渓)の本ちゃん初の女性のパーティともう1パーティーの4組だった。4尾根は白鳳会のパーティとうちらのみで、後から登る。

 1ピッチ目は、凹角内のクラック(8m)。難しくはない。それから、フェース、クラックを登り第1のコルに着いた。4ピッチ目の緩いリッジを登ると5ピッチ目の4尾根の核心である垂壁(5m)だ。グレードはVだが、それほどでもないと思いながら登る。今回は富樫さんがずっとトップだったので、緊張する事もなく安心して登れたからだと思う。登攀中もザイルさばきについて富樫さんからいろいろとアドバイスしてもらった。机上訓練とは違いやっぱり実践だと理解度も違う。今後に生かしていきたい。この後、緩いリッジを登りマッチ箱に着く。ちょうど、写真では、渡辺三の上部がそうだ。そこから懸垂下降し8ピッチ目のクラックからリッジ、最後の9ピッチ目のリッジを登り終了。登り終えた充実感に浸りながら登攀具の回収をする。
 踏み跡を辿り15分で北岳山頂に着く。しばし景色を堪能する。記念写真を撮り早々に下山。途中のキバナシャクナゲやキンポウゲがとてもきれいだった。肩ノ小屋から白根御池小屋まで一気に下山。ここでやっと缶ビールで祝杯をあげる。「もう少し冷えていたら格別だったのに」との思いもあったが・・・。テントを撤収し広河原へ向かう。頂上からは標高差約1,600mを一気に下ったことになる。吊り橋を渡り振り返ると北岳の雄姿がそこにはあった。

 帰りに芦安町営の温泉に入ったが、ちょっと異様な光景に遭遇した。引き戸を開けて中に入るとそこには頭を丸めた僧侶ばかり。一瞬たじろいだがそのまま入浴。3日間の汚れと疲れをとる。途中若干の渋滞はあったものの22時千葉市役所に無事到着する。

 雨のため1日停滞はしたものの、梅雨の晴れ間楽しい登攀が出来ほんとうに充実した山行でした。CLの富樫さんに感謝!。次回は、8/10からの剣岳のチンネだ。今度は、何ピッチかトップをやってみたい。


                         高梨 仁

6ピッチ目のリッジを
登攀中の渡辺三

BACK