ちばやま

ちば山の会2001年10月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

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富士山山スキー(3550mでの敗退と攻略の鍵)


<山行日>5月19日(土)晴れのち霰、雨
<メンバー>CL菊池典雄(TM),小倉時義(ツボ足),今西賢(TM)
<工程>千葉2:00−東名高速−御殿場インター−5:00新五合目駐車場(富士宮登山口2400m)6:00−9合3400m−3550m付近−滑降開始11:30−13:50新5合目駐車場14:00−17:00千葉


 天気予報は晴れベースながら,寒気が入っているため午後には雷雨もあるとの予報であったが、そのまま決行。睡眠も殆どとれないまま,千葉を午前2時に出発した。御殿場インターを降りて暫くすると、白み始めた空に,真っ白で広大な斜面を携えた富士の全貌が間近に見えてきた。眠気で頭がスッキリしないままの運転であったが、あたりが明るくなるにつれ、いつもの山行以上に、不安と期待が入り混じった興奮状態を感じた。富士宮登山口に近づくにつれ白い斜面が少なくなり、今年はやはり雪消えが早く,本当に滑れるのかと心配であった。5:00新5合目駐車場に到着.天気は快晴で頂上の測候所の白いドームが割と近くに見えるが、いかんせん雪が,雪があまりにも少ない.下から見ると雪渓が数本、かろうじて確認できる程度である。6時発,小倉さんは、雪が少ないためか、スキーは諦め、ツボ足に変更。今西君と私は,スキー靴をザックに入れ,スキーをくくり付け、登山靴での登行。私の担ぐ重量は13kg強になりました。出発して間もなく雪渓上を登るが,出来るだけ夏道がでている所を選んで登った。6合目、7合目と登るにつれ,しっかりした巨大な雪渓がみられ,十分滑降ができることを確認し一安心するが、何しろ担ぎ上げる重量が重い。気合を入れて、極めてゆっくりのペースであったが、しだいにバテバテになってきた。

 8合目の山小屋(3185m)でスキー靴に履き替え,登山靴はデポ.アイゼンなしでも十分登れる雪質であったが、小倉さんは,スリップで疲れないようにと早々とアイゼンを装着。3200m付近を過ぎると,頂上の鳥居が間近に見えるが、頭が痛いようだ.気分が少し悪い.体力も心配.下山開始の時間は13時位が限度(それ以降になると、硬いバーンとなるため心配)などを考えや,心の焦りを感じている。天気はまだ大丈夫と心に言い聞かせ,9合5勺の小屋付近(3470m)でアイゼンをつけて最後の急斜面を頑張ろうと思っていると俄かに雲がでてきた。登り始めたが急速に天気は悪化、霰が舞った寒い。3550m付近で撤退と決め,急いで滑降の準備をしている間にも雪面が固くなっていくのが,怖く感じられた.30度強のやや凸凹の固い斜面を慎重に滑降開始。すぐにほぼホワイトアウトの状態となった。前日までの大量の雨のためか,雪渓はものすごい凸凹状態,夏道とは反対側の出来るだけ左側を選ぶと比較的滑りやすい斜面であるが、視界と雪面不良状態であり極めてスローペースの滑降で、小倉さんのツボ足ペースについていけなかった。登山靴デポ地付近からは雪質も緩み,気温もやや上昇。雪面の状態は悪いものの、ほかには類を見ない巨大な一枚バーンの雪渓をかなり堪能できた。ガレ場をトラバースしながら途切れ途切れの雪渓をつないで滑って行くと何とか駐車場のすぐ上まで滑べれた。13:50駐車場到着の頃には土砂降り。そそくさと五合目を後にした。帰路、頭痛などが続いたが、足柄パーキング付近では体調も戻り,敗退はしたものの,今回の山行から得られるものは多かった。

 考察:以前より山行記録集,ツアーガイド集、インターネットなどで情報を収集、この時期の富士山山スキーは、万全の準備で臨まなければと考えていた。今回の山行には次のような反省点がある。1.高気圧がドンと本州にあり,極めて安定した日が必須条件と理解しながら、不安定な日に決行してしまった。翌日は安定した晴れで,お釜の中まで滑降できたとのこと。翌日の方が安定する予報であったが、果たして翌日が安定するか、疑心暗鬼になり、変更がやや面倒になり、決行してしまった。2.高山病に関しては、夏に登頂できたときは、8合目で仮眠し問題なかった。日帰りでは5合目でかなりの時間ならす必要があることを,以前何かの資料で読んでいたが,この点も深く考えず、まあ大丈夫かななどと、高をくくっていた。今回の症状は睡眠不足、疲労などに軽い高山病の症状が加わったものであろう。3.ツアー集には,スキー靴では登りにくく,登山靴が必要ときされている。今回,種々装備も合わせて13kg強にもなったが、無謀な重量であった。今時の山スキー靴はプラスチックでも十分登行可能である。実際に富士山山スキーに慣れていると思われる数人が,スキー靴のまま、追い抜いて行った。

 最後に、山スキー山行を成功させる最大のポイントはやはり天気である。私は、夏山もそして残雪期の山スキーも単独行が多かった.記録集、インターネットなどの情報を十分検討し、初めての会津駒、越後駒、平標山、伊吹山、大山などなど天気に恵まれて成功した。ピストンできる所を選び、天気が大丈夫な日に決行した。予定日がダメであれば中止したことも多く、天気が最も重要なポイントである。富士山は最たるもので、記録集でも、天候悪化により敗退したものが多く、参考になった。3000m以上では、今回のように天気が悪化すると忽ち、恐怖の硬いバーンとなり滑落の危険性を強調している。

 これらの反省点を來シーズン以降に役立てたい。日本には素晴らしい山スキーコースが多く、物の本には富士山はそれほど面白いコースではないと書いてある。しかし、万全の準備をし、体力、高山病、天気を考えながら、山行毎に身を持って色々な体験をしながら、高度感のある巨大なバーンを滑降することは素晴らしいことのようである。繰り返し挑戦している山スキーヤーも多いようである。年齢的にも体力的にも心配であるが、これからも挑戦してみたい。


                         菊池 典雄

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