ちばやま

ちば山の会2002年6月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel%Fax 043-255-9821



槍ヶ岳北鎌尾根山行報告

<日程>2002年5月3日(金)〜5月6日(火)
場所:北アルプス/槍ヶ岳・北鎌尾根
参加メンバー:CL土屋、広木、高梨
5/3晴れ大町(5:50)−高瀬ダム(6:42/6:58)−湯俣(9:20/9:38)−P2取付(15:30)
5/4雨出発(6:20)−P9(12:15)
5/5雨のち晴れ出発(7:10)−独標(14:20)−槍ヶ岳頂上(15:30)−槍岳山荘(15:50)
5/6快晴出発(7:55)−槍沢ヒュッテ(9:45/9:56)−横尾(11:13/11:38)−上高地(14:17)


北鎌1 今年の正月に行く予定だった北鎌尾根だが天候が悪く中止。その後、土屋さんから5月に行かないかとのメールがあり結局同行させてもらうことになった。西岡さんも行くはずだったが仕事の都合でキャンセル。2日の21時過ぎ千葉発、大町には3時過ぎ着。タクシー会社の駐車場で仮眠、タクシーは七倉で東電のゲートが開く(6:30)のを待つ。山行計画を出し時間になるのを待っていると盛岡から来た正木さんと会う。その後タクシーで高瀬ダムの上まで行く。湯俣までは高瀬川を右に見ながらの林道歩きで、湯俣からは水俣川を遡る。先ず吊橋を渡りいよいよこれから始まるんだなという気になる。崩壊の激しい左岸の道を登り下りしながら進む。中東沢出合い手前の一枚岩のヘツリはフィックスロープとワイヤーにしがみつきながら通過する。結構しょっぱかった。その後も高巻いたりしながら進むと今回の核心だった千天出合手前の徒渉点に12時に着く。吊り橋の残骸がある所で、雪解けで水量も増し深かったため大変だった。ここでほとんどのパーティーが徒渉に時間を費やした。人数を数えてみたら35人はいた。靴とズボンを脱ぎ下はパンツ1枚の状態で、石に引っ掛かっていた流木に掴まりながら何とか渡る。ほとんどの人はこの方法で渡った。土屋さんと広木さんはなかなか踏ん切りが付かず、渡り終わった時は我々が一番最後になっていた。この徒渉で土屋さんはは擦過傷、広木さんは打撲、私はサンダルを流してしまった。千天出合から天上沢右岸をしばらく歩きやっとP2の取付きに着く。デポしてあったガス、ウイスキー、生ハム等を回収。ガス1個、ウイスキー500mlを正木さん達にプレゼントする。このデポ品が後々活躍することになった。

2日目は一日中雨。P2を目指し急な樹林帯を木の根や枝に掴まりながら登る。その後はブッシュ、ガラ場の岩稜、雪壁を巻いたりして幾つもの岩峰を越える。ピークに立つ度にどこのピークなのか確認するがはっきりわからなかった。二度晴れ間がさしたが回復することはなかった。独標が眼前に現れP9まで来たことを知る。天候と時間を考えここで幕営。テントの中ではガスをガンガン焚き濡れた物を乾かす。皮の登山靴は防水ワックスも剥がれ落ち、中まで濡れた。  3日目の出発時は雨だったが直ぐに回復。独標へは直登ルートをとる。垂直に近い7m位の雪壁でザイルを出す。その後岩峰を2ピッチ位と雪壁を登り独標の頭に出た。やっと槍ヶ岳への稜線も見えた。あともうひと頑張りだと思いながら進むが一向にペースが上がらない。独標からは岩稜の小さなアップダウンの繰り返しで危険な箇所もない。最後の急峻な登りも決して難しくはなくルートを誤らなければ問題はない。頂上へ抜けると祠が出迎えてくれた。360°視界を楽しむ。「お疲れ様」の言葉と共に握手をする。二人より先に下り幕営の手続きをする。テントを張るが風が強く張綱の固定が出来ないので二人の到着を待った。

北鎌2  最終日は快晴の中槍沢を下りる。朝テント回収の際、強風で銀マットが飛ばされた。運良く下の岩場にあったので回収しながら槍沢を下る。途中広木さんと土屋さんは尻セードで一気に下る。徳沢でタクシーの予約電話を入れ上高地へ急ぐ。タクシーで大町まで行く。通常だと20,000円位掛かかるところを広木さんの交渉で16,000円で済んだ。さすが・・・。大町からは土屋さんの車に乗換え薬師の湯へ行き疲れと汚れを洗い流す。食事をして千葉に向かう。連休の最終日だったせいか運良く渋滞がなく3時間半で千葉に着いてしまった。 今回の山行はデポの回収と冬の下見を兼ねたものだったが、個人的には憧れの初の北鎌で感慨深いものがあった。冬期に登攀出来るよう今後訓練していきたい。装備としては靴はプラブーツの方が良いと思った。持っていないけど・・・。兎に角良い体験が出来満足した山行となった。


                         高梨(記)

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