ちばやま

ちば山の会2004年07月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



明神岳主峰東稜登攀

                             日時:  平成16年6月4日夜〜6日
                             メンバー:田中・柘植・広木・竹下

 6/4日(金)午後9時30分に千葉市役所に4名が集合して、柘植さん所有の車で明神岳目指して出発する。 途中の高速道路もさしたる混雑も無く、順調に沢渡村営駐車場に入り、テントを設営し仮眠をとる。

 6/5日(土)朝6時前に事前に予約しておいた、アルピコタクシーの細川氏の車で上高地入りする。(上高地着6時30ごろ)その後、準備を済ませ新築中のターミナル(来年完成)を後に、明神池へ向かう。昨夜からの天気予報と細川氏の上高地での予想により明日の天候は下り坂で雨になるとのアドバイスを受け、テントをひょうたん池に設置しベースキャンプとして、頂上アタックはビバーク用具と登攀用具及び防寒雨具・ライト・食料・コンロ1セットを持ち土曜中に行い、ひょうたん池に戻る予定を立て上高地を後にする。

 養魚場で水を1人4Lほど汲み、ひょうたん池まで持ち上げる事にして宮川の丸木橋を渡り森の中にある赤布を見つけながら、20分ほど進み細い涸れ沢に沿いながら登ると、やがて下宮川のガレ場に出て、此処より右側に細いガレ沢が平行してあり、これに入り尚も登るとやがて、大きく開けたガレとなり宮川のコルに達する。9:30(右に白い細かなガレがアルのが宮川のコル)宮川のコルにて大休憩してお腹を満たし5峰より発生するワデ宮川のガレ場を横切り(ここは積雪期は雪崩に注意)左上に見える4峰東稜末単壁の下を目指し登り、この下側を進み、上部に達したら3峰・2峰・主峰の下に広がる上宮川のガレ場を右側上部に見える主峰東稜末単のひょうたん池へ向かい横断する。(此処も積雪期は雪崩に注意)

 ひょうたん池に11時ごろ到着し(池はまだ雪の下で水は1/3ほど見えていて細い流れがあり水が取れた)すぐに横の熊笹の上にテントを張り、身支度を整え11:30に東稜をアタックし、道無き道を尾根に沿い進みとやがて第一階段の岩場に差し掛かりザイルを出し1ピッチを2級程度の登攀をする。

 この上からは急な草つきで慎重にブッシュを便りに登ると、次はハイ末帯の尾根上を木登りに励みながら進むと、ラクダのコブに達する。(此処はビバークや小型のテント設営可能で早い時期なら雪も有り、今回も有り)

 これより頭上に広がる主峰バットレスの登攀となる(50Mで3ピッチ)が4人のため、11MM50Mでの1本のザイルに3人で繋ぎ(間を25M)、9MMザイルを3人目が引き揚げ4人目に繋ぎトップが登攀中に4人目を3番手が上げる手法をとり、登攀する。最初に簡単な岩を登り、次に核心部の凹角3〜4級を登り、その後は頂上に向かい色々のルートが取れるが、我々は山頂に向かい右寄りのリンネ状に山頂に続く階段状のルートを取り山頂に15時30着で登頂をする。

 休憩の後に日没までに何とかめぼしを付けたく懸垂下降50Mを4回繰り返し、その後10Mをロープダウンで降り、ラクダのコブへ、これからは登りで自ら付けた赤布と他会の布を頼りにハイ末の木登りならぬ木下がりを繰り返し、第一階段上の草付きに達した。此処を慎重に周囲の潅木等に捉まりながら、降りると最後の岩場の懸垂下降にかかるが、田中と広木が降りた処で日没となる。残る2人はロープの流れと下のライトを目指し下降して、岩場を降りる。

 此処で完全に星が輝く夜となり、わずかに見える東稜末単とひょうたん池の雪渓のシルエットに方向を合わせ、田中の過去の記憶と(下に向かい右・右と下降する。稜との境は上宮川のガレとの境の絶壁)を意識して念のため50M-3ピッチを懸垂下降して下降し、これからは赤布とわずかな踏み後と頭の中の地形を確認しながらベースへ21:15分着で終了する。(久々の充実した登攀を激闘の中で終わる)

 遅い夕食とわずかな美酒で乾杯し就寝する。

 日曜はゆっくり起床して下山し、明神池でワインで乾杯の後、上高地を後に帰途につく。

                             竹下

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