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会津朝日岳 〜 会津駒ケ岳大縦走

◇山行期間2005年4月29日〜5月4日
◇参加者CL柘植、SL長池、橋本(GPS)、小俣(食当)、池田(記〜5/1)、多田(記〜5/4)

 五月の連休で南会津のロングラン!CL柘植さんは昨年も計画したものの人が集まらず実行できなかったが、今回は「少し休みを取るだけで、滅多に行けない&この時期しか行けない、ラッセルもなく快適に飛ばす会津朝日岳〜会津駒ケ岳大縦走」この言葉に興味を示して5人が集まった。
 詰は、「昨年は寡雪だったのでヤブが多かったが、今年は豪雪模様なので大丈夫」の一言で決定。 皆、青い空と白い雪、山上の楽園/夢の時間を思い浮かべたのですが、はたして結果は……?
 でも、比較的天気も良く、GPSの性能も知ることが出来て会心の山行ではなかったでしょうか。

◇記録

4月29日(金)
 千葉20:45→東北道経由西那須野塩原IC→道の駅田島0:30(仮眠)
 千葉を20:45出発し、道の駅田島にて小宴し、明日の体調を整え仮眠をする。(池田)

4月30日(土)1日目 晴れ
道の駅田島6:00→只見町いわなの里(白沢登山口)7:15→タクシー会社、車デポ白沢登山口8:10→叶の高手12:30→朝日岳避難小屋13:05

 道の駅田島にてパッキングを済ませ、6:00にいわなの里に向けて出発。車中にて朝食を済ませる。メンバーをいわなの里に降ろし、柘植車と池田車をタクシー会社まで回送し、車はスノーシェルター手前の広い路上に車をデポし、タクシーにていわなの里に行く。8:10 重いザックを気にしながら出発する。登山口入口で登山計画書を投函するが、中を見ると昨年の秋の物が一通有るのみであった。所々に残るトレースを拾いながら、赤倉沢を詰めて行く。沢を渡るとき、安定している雪渓を渡るが、足の下から水の音がし、少し不安を感じつつ渡る。ブナ林を通り山裾をまくところで休みを取り、これよりストックからピッケルに変えて赤倉沢本流を詰めて進む。いくつかのデブリの上を越えながら進まなければならないので不安である。叶の高手直下の急斜面は、全行程で一番きつい所ではないだろうか。比較的雪は安定しており、歩きやすくキックステップで進むが、あまりの急斜面なので緊張する。また、熊の足跡がところどころに有り、この先不安になる。それにしても気温が高い、荷物が重い。叶の高手から1382mピークを通りあっという間に避難小屋にたどり着いた。先客はいないし、なかなか清潔な小屋でよい。ザックを降ろし、日の高いうちから宴会となり、案の定柘植さんは早く寝てしまう(満足している様である)。以後毎晩同じであった。山スキーの長池さんは、素晴らしいゲレンデが沢山有ると感動していた。夜は、非常に気温が高く寝苦しい夜だった。(池田)

5月1日(日)2日目 晴れ
朝日岳避難小屋5:05→朝日岳山頂6:00→大幽朝日岳10:30→丸山岳手前鞍部15:50幕営

 朝食、出発の準備をしているうちに明るくなり、アイゼンを着用して山頂に向けて出発。朝一に山頂までの急斜面を上るのはきつい。山頂からは浅草岳をはじめ会越国境の山々が眼前に広がり、これから行く会津駒ケ岳は遠く南会津の山々が連なってその広大さに圧倒される感じだ。今回一番の難所の鋸刃を見ると雪が無い………。簡易ハーネスを作り、ザイルの用意をして慎重に稜線を行く。ここ数日の気温で稜線にあるはずの雪がみな落ちてしまっている様だ。鋸刃は全体的に左手に雪庇や岩となり切れ落ちているので注意がいる。廃道はところどころ残っているので、そこを外れないように行くしかないが、ヤブが深く行く手を拒んでいる。1451mピークからの本格的なヤブ。最高のヤブは、大幽朝日岳から1552mピークまで。山頂までの密度の濃いヤブコギは柘植さんのみ単独で山頂へ。残り5名は小さくまいて山頂をパスしたのは良かったが、ここから先がまた密林。どこをどう進むか考えてしまうほどで、1時間で200〜300m程度しか進まないハードブッシュである。荷物が重く体力的にも精神的にもものすごい負担を強いられるヤブコギであった。今日の目的地である丸山岳には時間的に行けないので、手前で幕営する事にした。夕方より風と雨になり、今後の予定など話し合いながら、明日は大丈夫かなと思いつつ宴へと進み、最後はいつもどおりの光景となる。(池田)

5月2日(月)3日目 雨のち曇り(ガス)のち晴れ
道の駅田島6:00→只見町いわなの里(白沢登山口)7:15→タクシー会社、車デポ白沢登山口8:10→叶の高手12:30→朝日岳避難小屋13:05

 丸山岳手前鞍部11:15→丸山岳11:50→梵天岳13:50→高幽山15:25→高幽山過ぎ鞍部15:40幕営 3時起床、前夜からの雨が降り続いていたが、ラジオの天気予報では天気は早めに回復するらしい。日程も余裕があるので雨が止むまで待つことにする。11時頃まだ風が強くガスがかかっていたが、雨がやんだので湿ったテントを背負い出発。なだらかな稜線を30分程登り、12時前に丸山岳に着いた。深い藪をかきわけてたどり着いた道なき秘峰と呼ばれる丸山岳、しかしガスの中、山頂からの景色もほとんどみえず、特に感動もなく、とてもなだらかな丸い山=丸山岳を後にする。丸山岳からは南方向の尾根を進むルートになる。ガスの中、橋本さんの持つGPSを頼りに快調に歩を進める。丸山岳からの下りは尾根も広く、雪も多く残っている。これから先は藪に遭遇しないのではと期待する。

 梵天岳までは危ないと感じる所もなく、13時50分なだらかな梵天岳に着く。梵天岳からはほぼ真南に尾根を下る。下りきった鞍部から高度差約200Mの長い登りの先に高幽山が待っていた(こちらが勝手に行くだけだが)。前日の疲れもありバテバテになりながら15時25分高幽山に辿り着く。山頂に着くと薄明かりが差し駒ケ岳方面の展望が開けた、東側には大きな雪庇がスパッと切れ落ち迫力ある雰囲気の山であった。15時40分、山頂より少し下った林にテント設営。設営中より晴れだし、高幽山頂上付近の軽く10M以上ある雪壁の右横に飯豊連峰が姿をあらわす。雨により当初の計画よりは進んでいないが、結果として最高の場所に幕営でき、晴れの中で最高の景色を満喫した。本日の行程、時間は約4時間30分であったが、距離は前日と同じ位進めた(前日約11時間費やす)。改めて、会津の藪の怖さを感じる。山行中の楽しみの一つである夕食を堪能し、明日に備え早めの就寝。(多田)

5月3日(火)4日目 晴れ
高幽山過ぎ鞍部5:25→坪入山8:20→窓明山10:00→三岩岳11:40→大戸沢岳13:50→会津駒ケ岳15:05→駒ノ小屋過ぎ鞍部15:40幕営

 3時起床、5時過ぎ出発。天気は晴れで絶好の登山日和、今日の目標は会津駒ケ岳まで。2万5000分の1地形図でコースを確認すると相当な距離があり、今日はしんどい行程になることを覚悟する。高幽山から南北方向に延びていた尾根は高幽山と坪入山の中間辺りから東西方向に曲がる。特に危険な所もなく、途中100M位前方をカモシカが凄いスピードで横切り急な斜面を駆け上り、駆け下りていく。2〜3分後もう1匹のカモシカが駆け上り、駆け下りていった。急斜面をパワフルに駆けるシカに見とれながら、こちらは息を切らして1歩づつ坪入山を目指す。カモシカが横切った辺りで坪入山方向から下りてくる50歳〜60歳位の3人組(男2人・女1人)と今縦走で初めてすれ違う。丸山岳を目指す彼らと別れ急な登りを経てほどなく坪入山に着く。坪入山はスキーの跡が多く、北東に延びる尾根にスキーで下りた跡もあり、山スキーする人には人気のある場所らしい。坪入山からは細い尾根を進む。晴れて雪もやわらかく特に恐怖感を感じることもなく窓明山へと進む。窓明山は山頂付近に林がありそこを抜けると明るい山頂に着く。その林に先ほどの3人組のテントがあり1人留守番をしている女の人がいた。窓明山から三岩岳までは下りきった鞍部から高度差300M以上の急で長い登りが待ちかまえていた。この山行最大の苦行、「右足の次に左足その次は右足」と頭で確認しないと足が動かない気がした、途中三岩岳避難小屋が見えるはずであったが、探す余裕もなく通りすぎる。ここら辺まで来ると登山者も多く、三岩岳から気持ち良さそうに下りてくる登山者を横目にヘロヘロな身体に鞭を打ち山頂を目指す。三岩岳の山頂には小さな岩がいくつかあり(たぶん3つ)その1つに座り少し長めの休憩をした。晴れて展望も良く駒ケ岳がすぐ近くに見え、ヘロヘロな身体が少し回復した。駒ケ岳の直下、駒の小屋ではビールやジュースを売っているらしく、自分以外の5人はビールを楽しみに、多少ハイペースで駒ケ岳に歩を進める、しかし駒ケ岳までは思っていたよりは遠く、そのうちゆっくりした足取りに落ち着く。大戸沢岳を過ぎるとなだらかな斜面になり低木が目立ち始める。途中、池田さんが低木の間の雪を踏み抜き自力で脱出できなくなるアクシデントはあったが、特に問題のないゆるやかな雪原を進み最後のピーク会津駒ケ岳に着く。会津駒ケ岳の標識をバックに写真を撮り、辿ってきた尾根や山々(小さく見える会津朝日岳、丸山岳、坪入山等々)を振り返りしばし感慨にふける。ひとしきり山頂での感動を味わい、駒の小屋にビールを買いに駆け下りた(自分は酒が飲めないのでジュースが無かったのが残念)。小屋より100M程下りた場所にテント設営。予備日のため各自の予備食や行動食を集め夕食にする。自分は予備日をあまり考えてなく、みなさんの食料のお世話になる(すいません)。特に池田さんのバラエティに富んだ食料のおかげで意外と豪華な食事になった。(多田)

5月4日(水)5日目 晴れ
駒ノ小屋過ぎ鞍部(先発組6:15)7:00→会津駒ケ岳登山口駐車所8:50→滝沢登山口9:20

 6時起床、天気晴れ、だれかの行動食のパンを食べる。スタート地点のいわなの里近くに車を2台置いているため、テントの撤収等を他のメンバーに任せ、7時過ぎ柘植さんと自分で先に出発。タクシー会社に連絡を済ませ、急な斜面を走るように下った。連休中相当な数の登山者が登ったらしく足跡が無数にあった。ハイペースで走り下りたので、1時間すこしで駒ケ岳登山口に着いてしまった。タクシーとの待ち合わせ時間よりだいぶ早く着いたので缶ジュースでも飲もうと思い、国道沿いを10分以上歩きやっと自動販売機を発見、久しぶりのコーラは乾いた身体に染み込み、山から下りてきたと実感する。ここからタクシーで1時間ほど走り、なつかしいスタート地点に戻り、車を回収して、再度そんなになつかしくない駒ケ岳登山口に戻る。テント等を干していたメンバーを乗せ、温泉、そば屋経由で帰路に着いた。5日間にも渡る長期の雪山縦走は初めての体験だったが、この縦走路は静かで、ハードで、とてもすばらしいコースだった。今回山行を共にした柘植さん、長池さん、橋本さん、小俣さん、池田さんにはすべての面でお世話になり感謝しています。ありがとうございました。(多田)


                               池田さん・多田さん記

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