Welcome to Chiba Mountain Climbing Club!!
 ちばやまの会とは 会報「ちばやま」より 山の会写真集 リンク集
掲示板 これからの山行・行事 お気に入りの山 HOME

吾妻連峰中津川本流遡行

メンバー: CL 柘植、SL 長池、小俣、多
日時: 平成17年8月5〜7日
行程: 8/5 7:22中津川レストハウス−8:00白滑八丁−10:20魚止滝−11:45東電ダム−13:55観音滝−15:25幕営地
8/6 7:50幕営地−9:03神楽滝−10:20夫婦滝−10:39静滝−11:59熊落滝−15:44高巻完了筋滝上流−16:45朱滝−17:00幕営地
8/7 6:40幕営地−7:40朱滝高巻完了落口−8:30ヤケノママ−12:10稜線(大窪)−13:40凡天岩−14:30西大顛−15:50ゴンドラ上駅−16:10ゴンドラ下駅−17:00中津川レストハウス−帰葉


8/5(晴れ)
 猪苗代磐梯高原intを出て裏磐梯レイクラインの中程にある中津川レストハウスへ駐車。
 早朝、人気も無く閑散としたレストハウスの脇から遊歩道を通って中津川渓谷に降りる。開けた明るい川床を辿ると間もなく両側から白い滑が迫るU字溝の白滑八丁に入る。白い滑床の乾いた部分はフリクションが利き、傾斜があっても思いのほかしっかりと歩けるが、末端に近く、両側から傾斜の強い滑が迫り中央流水溝に小滝が勢いよく掛かる部分で行き詰まる。泳いで突破をはかるが、水の勢いに押し返され滝身に寄れない。やむなく、若い多田君、落下を覚悟で右岸の45°の スラブに挑む。目一杯のきわどいフリクションでトラバース成功。ザイルで引いてもらっても流水の重圧が強い。この先の本流遡行 完遂の困難が予感される。

 最初の滝、魚留の滝10mは左岸を巻き、東電ダムは左岸の危なげなヘツリの後、魚道を歩いてダム上に出る。流水に腰まで浸かったり泳いだりしながら、まさに酒のお銚子を連想レンソウさせる銚子口を超える。

 釜の水は青く透き通って深い。

 きれいな観音滝20mを左岸の朽ちた登山道から巻き、巨岩帯、ゴルジュをしばらく歩いて15:20本日の天場に着く。左岸の台地上に小砂利のスペースがあり、幕営跡がある。晴天にきらめく星々や宙空を漕ぎ渡る衛星を仰ぎ、漆黒の闇に1匹の蛍が浮遊する、幽玄の世界である。

8/6(晴れ)
 朝のさわやかな空気を胸深に吸いながらしばらく歩くと、大きな釜の神楽滝35mに逢う。ここは登れず左岸を巻くが、左岸に注ぐ権現沢に沿う小尾根は、取り付きからザイルが必要な急斜面。手に掴んだ草木が抜けたらどうなると思うほどの急崖である。根本に人が2、3人ほども入れるウロのある大木から下ると夫婦滝の前に出る。夫婦滝8mは左のクサリに沿って登るが、2mほどの段差を降りる部分が滑る。次は静滝12m、幅広の滝水がさわやかな印象。右岸の細かいホールドを拾って直登し、滝上の小釜を側壁の復流に乗って泳ぎ渡る。

 さて、本日のメインイベント熊落滝10mである。

 滝自体の落差はさほどではないが、柱状摂理のバットレスや黒々と した50mの屏風が両岸に迫り、滝の上流は屈曲して奥は窺えない。 天空から筋状の流水が降りかかりすさまじい迫力である。手前のそれらしき巻道を探すが判然としない。とにかく小尾根に踏み込み、踏み跡らしき小開きを追って急峻な 樹林、草付きを腕力登りで上をめざす。滝側の窪地は切り立ちトラバースの可能性すら見出せない。中腹の大木の根方までは踏み跡が見えたが、以後、根曲がり竹に縋って登るまったくの薮こぎとなる。崖を右から回って平坦な尾根まで登ってしまい、左の谷底からかすかに聞こえる滝音に耳をそばだて ながら薮を進み下降路を探す。やがて小沢を見つけ、急ではあったが、しばし下ると目の下に本流が 見え、懸崖の縁の立ち木に古いシュリンゲを発見。安全のためさらにシュリンゲを加え15mの懸垂で 沢身に降りることができたが、どうやら熊落滝の上の筋滝もまとめて巻いてしまったようだ。この巻きに3時間を要した。

 ここからゴーロを辿ると両岸は次第に赤茶けてきて、やがて本流最大の滝、朱滝60mに着く。天空の落口から下半分にかけて、末広がりに赤い懸崖を落ちるみごとな滝だ。17:00滝の見える右岸台地の大岩脇の砂利地を耕し天場とする。朱滝を眺めながらの絶好の天場だ。今夜も降るような星空である。

 8/7(小雨のち晴)
 2:30パラパラと天幕を打つ雨音 に飛び出し、広げていた干し物を慌てて取り込む。しかし、これはすぐ止んで夜が明けると青空が見えてきた。

 天場を出ていきなり朱滝の巻きにかかる。踏み跡は明瞭だとガイドにあったが、急崖を冷や冷やしながら這いずり登り、尾根上の薮に出るとかつてのかすかな山道跡が見え、薮のなかで突然ひしゃげた道標が出てきたりする。しばらく薮を進みそれらしき小沢を下ると、所要1時間でドンピシャ落口に降りた。ゴーロを1時間で硫黄の匂いが満 ちるヤケノママだ。赤茶けのガレに噴煙が少々、温泉らしきものは見えない。

 ここを過ぎると沢詰めまで長い平坦なゴーロ歩きとなり、水流が消えるとおぼしきあたりから、池塘から流れ出る細い流水を追って熊笹を掻き分けていくと 12:10中大顛・西吾妻の鞍部の木道に出た。

 色とりどりのハイカーが行き交う傍らで本流遡行完遂の握手を交わす。

 ここからはハイカーのみなさんとあいさつを交わしながら、梵天岩、天狗岩、西吾妻避難小屋、西大顛と縦走し、15:50グランデコのゴンドラを下ってタクシーで中津川レストハウスに17:00帰還。

 水流の多さ、広大な源流域、高い滝と周辺の急峻な地形、登山者の入りこみの少なさなどから巻き道自体が急峻で危険度が高く、赤布等もほとんど無いためルートファインディングはかなり難渋する。 滝そのものの登攀の興味は少ないものの、東京周辺の沢と比較すると入山には念入りな事前ジゼン準備が必要であるが、原始に触れる喜びは大きい。


                                 長池 記

目次へ


2005年 千葉県勤労者山岳連盟 ちば山の会 
http://www.chibayama.com