ちばやま

ちば山の会1998年7月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821


<<赤石の山々が木々と花に囲まれ・・・>>
山行報告 「四国・石鎚山 西赤石山〜東赤石山・縦走 5.10〜5.14」 CL但野アイ子 工簾額美 刈込和代 鎌倉婦人3人(非委員)    但野さん、刈込さんと私のちばやまの会3人と(品のよい?)鎌倉婦人3人の計6人 は、品川で夜行バスに乗り込み、明石大橋を渡る時には起きて窓から海峡を見ようと約 束して眠りについたのだが……何のことはない、目が覚めたら明石海峡を越えたのも、 鳴門海峡を越えたのも気づかず、そこは愛媛だった! ! 6人は口ぐちに「いや一四国 は近いのね一」と言い合い、前の晩の約束が守られなかったことを責め合うこともなく、 仲良く山行はスタートしたのだった。  私たちが目指したのは、西日本最高峰、日本百名山の一つにも挙げられている石鑓山 で、まずはロープウェー標高1300メートルの山頂成就駅まで運びあげてもらい、そ こから30分も歩くと成就神社にたどりついた。その夜泊まる予定の白石旅館に荷をあ ずけ、拝めるものにはひと通り手を合わせるという日本人の習性を忘れず、神社で山行 の無事をわずかの賽銭と共に祈願し、その足で石鑓山を目指して出発した。入山門から だらだらした八丁坂の下りを過ぎ、本格的な登りにはいると間もなく、目の前に「試し 鎖」が現れた。しとしと降る雨のために足場は濡れ滑りやすく、以前岩との格蘭に敗れ 前歯を折った経験のある私は非常にゆっくりと非常に慎重に(かなり他の書さんに迷窓 をかけました)登っていったのでした。「試し鎖」という名の通り、それはあくまで 「試し」であり一息ついたのもつかの間、その後、一ノ鎖、ニノ鎖、三ノ鎖が次々と立 ちはだかったのでした。結局高さが増すにつれひどくなる風と雨のために、三ノ鎖は断 念し、迂回路を回り弥山頂上に出たのでした。本当はそこから10分程も岩稜をたどれ ば、最高点天狗岳となるのだが、出発前に旅館のおじさんに「こんな天候の日にそんな ことをしたら“物申さぬ人”になる」と忠告されており、断念したのでした。雨と風の 中、弥山頂上で記念撮もそこそこに帰路につき、びしょびしょで旅館にたどりついた 私たちを待っていたのは、あったかいお風呂と、おいしいごちそうと、うま一い甘酒だ ったのだ。満足満足! ! その夜平均年齢○○才の私たちグループは修学旅行気分で (ずいぶん前の?)気分で、わいわい、キャーキャーと語らいつつ心地よい眠りについ たのでした。                 (以上記・工藤 以下・刈込〕  一夜あけ翌日も雨でしたが、この日は移動日でした。車で東平駐車場まで送ってもら い銅山峰ヒュッテまで歩きます。かわいいいアカモノの群生するこの小屋には、素敵な ご夫婦がおり、お抹茶をたてて出迎えてくれました。38歳で脱サラして35年間山小 屋生活をしているご王人のお話はとても楽しく、何日でも泊まっていたい気分でした。 翌5月13日は、いよいよあこがれのアケボノツツジに出会ったの西赤石山をめざしま す。愛媛県の東部石鎚山脈の東に連なる赤石山系は、四四では珍しく高山植物の宝庫で 「いろいろ咲いているので楽しみにして行きなさい」というご主人の言葉を信じ早朝出 発。曇り空の下、朝露にぬれながら30分ほどで銅山越着。ツガザクラの群生き見なが ら歩きます。東山を過ぎて、新緑のやわらかな緑のトンネルの中を気持ら良く歩いてい ると、険しい岩山が見えてきます。岩山が好きな方は大喜びするでしょうがちょっと苦 手な私たち(2名)は、「まさかあそこは登らないよね?」とささやきながら近づきま す。巻き道があり安心したのもつか間、足場が悪く「三点確保 ! 三点確保」とつぶや きながら登ります.鋸山の岩訓練を受けて良かったつくづく思いました。  今度は東赤石山をめざしまT.物柱頭を過ぎて分岐にさしかかり、そこで山小屋のご 主人のお勧めの通り八巻山を登ることにしました。あとで後悔することも知らず…… 八巻山一帯は四国では珍しい岩峰でルートのわかりにくい岩場だったのです。悪戦苦闘 しながら行くこと2時間で東赤石山着。今回の山行で一番苦労し又楽しかった所です。 岩場の間に所々キバナノコマノツメやユキワリソウが咲き楽しませてくれました。いつ のまにか青空となり雲海がなんとも言えずすばらしかったのを思い出します。下山は権 現越から四国電力の鉄塔を目指しながら河又へと下ります。四国へ行くのも、四国の山 を登るのも初めてでしたが良い山旅でした.  今までは、景色や花などそこにあってあたりまえのように感じていました。しかし赤 石山系の山は別子銅山の煙害などで一度死んでしまった山が、人の手や自然の力でここ まで回復するのだということを教えてくれたように思います。  赤石の山々が木々と花に阻まれ、更に回復することを願いながら帰途につきました。 (◎西赤石〜八巻山のルートは迷いやすく注意のこと)
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