ちばやま

ちば山の会1999年8月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821


「物見湯山」白山の山旅

                      橋本 丈夫

 6月24日8時半、小倉夫妻、失島(笑子さんの絵の友人)、柴田(高梨、橋本の6名は、梅雨空の山行を覚悟して一路白山へ向かう。中央高速では、激しい雨に見舞われ、ずぶ濡れ山行の覚悟を一段と強くする。雨もひどく、飛騨高山手前のバス停(間伐材で作った小奇麗な小屋)で仮眠する。

 6月25日、朝になっても雨はやまず、高山の交番に白山スーパー林道の通行止めの掲示があり、 今日の登山を半場あきらめる。高山で古い町並み、朝市を見て、朝食をすませ、白川郷へ向かう。

 深山の中の村落でなぜこんなにりっぱな合掌造りの家が建てられるか疑問であったが、焔硝作りを していたとの掲示を見て昔の秘密兵器工場らしいという印象で納得する。しかしながら、微生物を用 いた焔硝作りの技術をどのようにして取得したのか、感概深いものがある。

 雨も上がり、スーパー林道入り口に行くと開通しており、それではと、当初の計画の白水湖へ車を 走らせる。気持ちも登山へ切り替えたところが、今度は白水湖への林道は工事のため、通行止めであ る。近くの人に聞くが当分閉鎖とのことであった。事前に営林署やインターネット等で情報収集をや っておけばよかったと反省している。(どなたか、林道に関する情報収集の仕方を知っているかたは ご教授ください。)反対側の別当出合からの入山に変更し、ただちにルート変更するが、山懐の深い 白山の東側から西側への移動(そのルートは白山スーパー林道であるので、とにかく今日中に、砂防 新道の途中にある甚ノ助避難小屋までの入山に計画を変更する。

 うわさに聞いた白山スーパー林道を通る。よくもこんな場所に道を作ったと驚くばかりのルートで ある。途中少しウドを採取し、てんぷら油も購入し、午後2時半に別当出合に到着する。

 小雨の中、笑子さんと失島さんを残して甚ノ助避難小屋へ向かう。途中砂防工事の道路を横断し、 大規模な砂防工事を目の当たりにする。約2時間で小屋に到着、金曜日のため我々だけのすばらしい 宿泊地である。夕方には美しいピンク色の夕焼けが見られ、明日の好天を期待する。夕食はウドのて んぷら、残雪でよく冷やしたビール、根曲がリダケの味噌汁、すき焼と豪華なディナーで食べ過ぎを 心配しながら、明日の早出のために8時にはシュラフヘもぐり込む。

 6月26日4時半起床、晴天無風で6時半小屋を出発する。高山植物の最盛期には少し早いが、ク ロユリやミヤマキンポウゲの群落に興奮しながら、室道を経て、御前峰の山頂へ9時半に到着する。 北アルブス(乗鞍から剣、白馬と全山)、木曽御嶽山、八ヶ岳、南アルプス(荒川、赤石、聖)が遠 望でき、皆であれはどこの山だとワイワイガヤガヤと楽しい時間を過ごした。山頂で食事をしている と、超望遠レンズのついた銀塩カメラとキャノンのデジタルカメラ(プロ用)をもった中日新聞社の カメラマンが2名現れ、飲み水やパンの差し入れをする。7月1日の山開きの写真撮影のために来た とのこと。我々をモデルに撮影をしていると早速柴田さんはピーススタイルで応じる。なんとか新聞 の掲載がないか心待ちのまま、残雪の残るお池めぐりや雪渓歩きを楽しく過ごした。心残りのまま、 明日はどこの山へ行くか話しながら室堂を後にする。先ほどの新聞社のカメラマンの話では、撮影し た写真は、デジカメからパソコンそして、衛星通信で本社へ送信するとのこと。そのためのカメラ、 パソコン、電源等で一人20kg以上の荷物を担いできたとのことでした。

 登山中に関心したのは、途中の山道がゴミーつない状況であったことである。我々もお世話になっ た小屋の掃除をして、二人が待つ出合へ足を急がした。

 12時半、出合到着。麓の白峰総湯で汗を流して、一路乗鞍の麓の平湯へ向かう。途中、銀河高原 ビールエ場でビールを購入し、平湯スキー場のトイレの側で野営する。またも豪華なディナーで翌日 体重を量った高梨さんはなんと2.5kgも増加した。

 6月27日、昨夜からの雨がやまず、乗鞍岳の登山は中止する。白山が印象深かったため、乗鞍登 山の中止も白山の印象が薄くならずに良かったと思う。雨風が強く、途中諏訪大社にお参りした。(私は3人の子供の学業成就、開運、スポーツ勝栗札のお札を得る。おかげで下の男子は本日のサッカー県大会でベスト16に残っている。来週はベスト8と4の試合応援のため山行中止である。) この後、北沢美術館、片倉会館の温泉に行き一路千葉へ向かう。

 梅雨空の中、花の山のうわさに違わぬ白山、深山の白川郷、高山の町並み、各地の温泉巡りと充実 した山行をすばらしい仲間とともに過ごせたことを感謝しながら「物見湯山」の原稿を書きました。

 追伸、行かれる方へのアドバイスは、@白山までは思ったより長距離のためルートを十分に熟慮の こと。A林道の閉鎖等を事前に問い合わせて置くこと。B観光新道は崩壊のため通行不可。C室堂付 近は広いのでガスの日は十分に注意すること。


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