富士山登頂山スキー

日時: 2004年5月8日(土)晴れ・微風
メンバー : 菊池単独(TM)
 4回目にして始めて待望の富士山山頂へスキーを担ぎ上げることができた。
1回目は、小倉さん、今西君と富士宮口からであり、勝手がわからず、古いツアー集を参考にしたらスキー靴では登りにくいということで、登山靴でしばらく登った。荷が重く、皆体調が不良となり、天気もやや悪化、山頂を目の前にしながら3550mで断念した。
1昨年は植草君(船山)と二人で、昨年は単独で吉田大沢に挑戦したが登頂は果たせなかった。
 登山では2回登頂しているが、残雪期に何とかスキーを担いで登頂することは、ひとつのこだわりであった。今までの経験から、成功の鍵はまず高気圧がドンと日本の上にのっかり、平地の気温が25度以上の夏日を選ぶことであり、なにより荷を軽くすることも重要である。残雪は少ないものの雪が硬くなりにくい南面の富士宮口を選び、今年こそはと狙っていたが、日程が取れずもう無理かとも思っていた。しかし数日前の天気予報で8日(土)が狙い目の好天になりそうであった。翌日曜は勤務であり、GWの翌週でもあり、休養と考えていたが、急遽決行することにした。

 前日は10時前に就寝し2時頃出発し長丁場が予想されるため5時半ころから登り始め燧岳に行くか」など一時断念しかかったが、悔いが残らないためにも登れるところまで頑張るかと考え直し、4時出発、東名をぶっ飛ばし、6時半過ぎ2400mの富士宮登山口に到着した。見上げると残雪が極めて少ない、滑るところがあるのであろうか少し心配になったが上へ行けばきっと素晴らしい雪渓が待っていると思い、せっせと準備し7時にスキー靴のまま出発した。出来るだけ荷を軽くしたが、水は2リットル、ツエルトも一応持参。焦らず体力を消耗しないようゆっくりしたペースで歩を進めた。2800mを過ぎるとようやく右に雪渓が現れてきた。8合目の3200m付近より山頂へ続く大雪渓を直接アイゼン登行した。

 登り始めはなんとなく胃の不快感を感じ少し先行きの体調を懸念したが、以前より荷を軽くし、また寝坊し、睡眠時間が十分であったせいか体調が良いようである。夏道を登っている人もいたが、雪の状態が良く、雪渓の直登のほうが登りやすいようであった。順調なペースで9号5勺(3500m)を通過した。これまでに3回ほど休憩をとり水分補給と行動食を摂った。最後の急斜面も前回ほどの威 圧感は感じない。先陣をきって滑ってくるスキーヤーも楽しそうである。頂上直下数十mは雪が少なく滑れないため、スキーをデポしている人が多い。小生は記念撮影をと思い最後まで担 ぎ上げた。12時20分待望の登頂である。途中少し風はあったが、頂上はほぼ無風状態、気温も5−6度はあったと思われる。剣が峰をバックに記念撮影をしてもらった。さあこれで思い残すことはない。下 は雲海であるが天気に恵また最高の富士山登頂日和であった。

 いよいよ滑降である。2,30m下った地点からスキーを履いた。出来るだけ高いところからと欲張った。始めの数十mは下がガリガリで石がところどころ出ている狭い斜面、横滑りで下りその後はテレマークターンを開始した。30度程度のやや凹凸のある斜面でスピードが出すぎる。始めは慎重にジャンプテレマークで高度をさげた。徐々に斜度が緩むと快適な滑りができるが、スピードコントロールが必要である。体力をかなり使うため、休み休み下った。3100m位の雪渓の末端まで滑り、スキーを担いでガレ場を右へ数十mトラバース、その後崖を数m降りて再び雪渓に。この雪渓は上部の幅広の大雪渓に比べると狭いが、雪面が安定しており、20−25度の適度な斜度で2800mくらいまで快適な滑降ができた。標高差約850mの富士山滑降を終え、後続のテレマーカー3名と談笑を交わし満足感に浸った。その後少しガレ場を右へ行くと登山道にでる。ゆっくり下り2時半過ぎ、観光客でごった返す駐車場に到着した。