本沢温泉・しらびそ小屋・天狗岳ネイチャースキー報告

【山域】 長野県 北八ヶ岳
【日時と天候】 2008年3月8日〜9日
【メンバーと装備】 菊池単独
 板:70mmフィッシャーGTSステップソール180cm
 革靴:スカルパエクスプレッソシール、10本爪アイゼン
【行程】 8日 (快晴無風):稲子湯唐沢橋−シール登行−しらびそ小屋−本沢温泉:露天風呂入浴−しらびそ小屋泊
9日(晴れ、稜線上やや風強し気温最高1℃) しらびそ小屋−中山峠−東天狗岳−鞍 部(西天狗への)−北斜面(下部は沢状)標高約120m滑走−シール登行−鞍部−東天狗岳の西斜面をトラバース−中山峠−しらびそ小屋−稲子湯

 深雪・山岳テレマークスキーだけでなく、細板テレ・革靴のネイチャースキーを年間1〜2回楽しんでいる。 この2・3年、「北八ヶ岳の彷徨」を秋に冬に楽しんでいる。昨年の2月には双子池・大河原峠のメルヘンを楽しんだが、数年来、積雪期に本沢温泉の露天風呂をネイチャースキーで訪れ、しらびそ小屋に泊まってみたいと夢見ていた。 2月初めに会のメンバーと計画したところ天候不順などで中止したが諦めきれず、チャンスを狙っていた。

 稲子湯からしらびそ小屋・本沢温泉までは、かなりの標高差であるが、前日までの降雪に、林間のフカフカパウダーの感触が素晴らしく、シール登行もそれほど苦にならなかった 。 本沢温泉への下りでパウダーのテレターンを楽しむはずが、細板では重い深雪パウは難しかった。本沢温泉に辿りつき、硫黄岳の威容をバックに貸切の露天風呂を満喫した。 しらびそ小屋は期待通り素晴らしく、30名ほどの宿泊客があり、リピィターも多かった。

 天狗岳は好天であれば比較的簡単に雪山登山を楽しむことができるため、黒百合平から続々とツボ足隊が登っていた。小生は雪の無いシーズンに2回登頂したが、積雪期は初体験である。中山峠までと思っていたが、絶好のツアー日和に誘われ、偵察済みの北斜面でもしやパウダーを楽しめるのではと、板を担ぎ上げた。東天狗山頂から西天狗の鞍部に下り、沢状地形に向かう北斜面に踏み込むと、さすがに標高2500m以上もあると、陽春にも拘らず、硬い下地に15cmほどの軽いパウダーが残っているではないか。15〜25度程度の中斜面、慎重にターンしてみるとクラストもパックもされておらず、革靴・細板でも抵抗なく華麗なテレターンが描ける。疎林の中を標高差約120m滑走し、沢地形が狭くなりかけた地点で切り上げ、シールアップした。

 近年は、プラブーツ、ファットスキーによる激パウ狙いに没頭している中毒不良団塊世代であるが、革靴・細板テレのクラシックで軽快な快感が忘れられず、このようなネイチャースキーも続けている。

 気温・天気・雪の状況などドンピシャのタイミングで、天狗岳の細板テレを経験できたことは極めて幸運であった。





                                                     (菊池 記)

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2008年 千葉県勤労者山岳連盟 ちば山の会 
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