ちばやま

ちば山の会2000年3月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821


冬の上高地で見つけた物


2月11日〜13日の間、冬の上高地へ山スキー&トレッキングに出掛けた。 私にとって、この時期に上高地へ入るのは、3年ぶり2度目であるが、厚い 雪の壁ばかりかと思っていた上高地に、意外な発見があったので報告する。

アカゲラ:
焼岳登山道入口で休憩していると、「コン、コン、コン」と木を叩くが聞こえてきた。誰かが、「キツツキだ。」と叫ぶ。辺りの林を注意深く観察してみると、20m程離れた木の下部で、一心不乱に木に穴をあけている鳥がいた。頭の所に赤い筋が入っている。アカゲラだった。北海道から、本州にかけて広く生息するこの鳥は、ケラツツキ、アカコシマキ、アカキツツキ等、地方によって様々な呼び方がある。平地から山林、市街地の公園の林の中にでも生活するが、木の幹の中に生息する昆虫を長い嘴で捕獲する様子を目の当たりにしたのは、これが初めてだった。
  ニホンザル:
焼岳を山スキーで登り終えて(中腹までだった。)、さて帰りに河童橋でも拝んでからテントに戻ろうかと、五千尺ホテルを通り過ぎた辺りにそいつらは、待ち構えていた。一匹かと思えば、そこここにいて、実は猿に囲まれていたという方が正しいようだ。雪の上に顔を出している熊笹を掴んでは、木に登り食べている(ように見えた)。憎らしいことに、写真を撮ろうと近づこうとすると、一定の距離を保たれてしまう。望遠レンズのない私のカメラでは、撮ってはみたものの、一見して猿と分かる写真は撮れなかったようだ。

スノーシューノオジサン・オバサン:
大正池から上高地それと、田代橋から河童橋にかけて、お揃いのスノーシューバックを手にしたオジサン・オバサンの群に遭遇した。群の中の話好きなおばさんから、「冬の上高地ツアーで、プロのガイドに連れられてやってきたんだよ。宿泊は、中ノ湯温泉。」という話を聞く。尚も船橋の高橋さんを捕まえて長々と話続けようとするオバサンの話を巧く遮る。きっと、こんな経験をしたことが今までになくて、感激を人に伝えたくなったのであろう、と思った。それにしても、安房トンネル開通の効果は大きいのかも知れない。一昨年までは、坂巻温泉から除雪もされておらず、この近辺で一番大きな中ノ湯温泉ホテルにも歩いて行かねばならなかったわけだから、今の釜トンネルを越えれば上高地という状況はこういった観光客を増やす要因となるであろう。やがては、上高地内のホテルやバスターミナルも、通年オープンという日がやって来るかも知れない。

                             渡辺 俊幸


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