| ちばやま
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ちば山の会2001年4月
千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方
Tel・Fax 043-255-9821
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ニセモノの山
山梨県の中央部からやや西よりを流れる釜無川の西側に広がる台地から北を眺めると奇妙な風景が目に付く。よく似た格好の二つの山が重なって、特に季節が冬の場合はまるで3D画像の裏のぼかしを逆にしたようなコントラストで朝陽の中に映えている。しかし、この二つの山は山を好きな者なら誰でも知っている山であることは確かだ。ことに、遠くに見える雪のある山は有名な山である。太古の昔大爆発で山のほとんどが吹き飛ぶまで富士山より高い頂があったらしい。さて、近くに見えるうり二つとはいわないまでも、しばし標高の低い山は文学的に有名になっている。この山の東側の尾根は季節によっては文学的嗜好を問わずとも老若男女で渋滞することがあるのはあまり知られてはいない。
ところで、中央線の電車に乗ってこの土地を過ぎるわずかな時間帯にこの二つの山を見比べることも出来る。しかし、よく似ているので山に慣れていない登山者は自分の登予定の山を早とちりすることがある。それで、山に登る人の間でこう呼ばれるようになった。「ニセヤツ」これは電車の窓からあわてて雪のない方の山を本物だと勘違いして写真に撮ろうとした人をたしなめたという説が有力だ。それでも、眺める方向によれば全く似ていることがある。両方に雪があればまるで双子の兄弟(姉妹)のようになるだろう。この山の名前は「茅ヶ岳」という。本当は金ヶ岳と双耳峰の片方だが、こっちだけ文学的に有名になってしまった。実はここの縦走路が面白いらしい。
山梨支部:小野
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