ちばやま

ちば山の会2001年5月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



山行報告:阿弥陀岳南稜


<山行日>2001年3月31日(土)
  <メンバー>白石美穂(単独・記)
3/30稲毛駅16:00〜立川駅17:54〜茅野駅20:47 茅野駅で仮眠
3/31茅野駅3:30〜タクシーで舟山十字路4:30〜旭小屋5:45/6:00〜立場山8:20〜無名峰10:30/10:40〜P211:20〜阿弥陀岳13:00/13:10〜行者小屋14:30/14:40〜美濃戸口16:30/6:37最終バスで茅野駅


3/30 1人である気楽さとプレッシャーを抱え、誰もいない茅野駅で寝る。

3/31 朝起きて、外を見てみると湿った雪が空からまっすぐに落ちている。八ヶ岳特有の風と切るような寒さが感じられないので、天気予報は悪いけれど期待が持てる。舟山十字路でタクシーの運転手さんが笑顔で見送ってくれる。旭小屋の裏から尾根に取り付き、樹林帯の中の膝下位のラッセルに飽きてきた頃、やっと無名峰についた。10時30分。この時間なら、12時過ぎには阿弥陀の山頂へ着けるか?と思ったが甘かった。P1、P2はルート図の通りなんとなく左を巻いているうちに通過した。P3、P4もルート図の通り2級のルンゼと2級の岩場を通過した。あとは頂上直下の5mの岩場を越えて広い山頂にでるだけである。が、え???!どう見ても、4級50mの岩が目の前に立ちはだかった。う〜ん。絶対登れない。南稜という尾根を忠実に詰めたのだけれど、知らず知らずのうちに枝尾根に入った可能性もあるので、P3まで戻った。そして、もう一度尾根を確実に詰めると、また4級50mの岩の前にたどり着いた。もしかしてこれがP3かな?P4かな?「お〜い。阿弥陀の山頂ですか〜」と何故か叫んだりした。進めないとなると、飽き飽きした樹林帯の道を戻るしかないのだけれど、それはイヤだった。この4級50mの岩場の右側はスパッと切れていて絶対通れない。左側をとりあえず見てみようと思い、左に巻けるところまで約40m下り左側を覗いた。え?!!!赤旗が立っている。さらに覗くともう一本赤旗が立っている。どうして????少し下りぎみに赤旗のところまで行くと、ルンゼが見えた。ルートの鉄則"弱点を行く"を考えると、道はここしかない。ルンゼを登りながら、4級50mの岩がP3だったにと気がつく。道が分かったら、あとは、歩くだけ。雪が止み、13時阿弥陀の山頂にたどり着いた。誰もいない。足跡もない。道標もない。昨年3月にも阿弥陀に来てるけれど、比べ物のならない位雪が多い。

 阿弥陀からの下山はトレースを当てにしていたけれど全くない。山頂を楽しむのもそこそこに、一苦労を覚悟する。ガスっているので、地図とコンパスで尾根を確認し下りはじめる。昨日からの新雪が不安定で雪崩れる心配があり怖いな。思っていたら、ズズー。という音とともに、表層雪崩れが起きた。20cm位の厚さで自分の3m位上の雪から落ちてきた。表層だけだから、軽いので流されることはないが、心臓がばくばくした。落ち着いて見回すと、右側の木に沿った当りは、すでに新雪が落ちた跡があり、雪面が落ち着いていたので、右側の木に沿った当りを下り、下の方でトラバースする様にして、中岳のコルへ達するルートを取ることにする。途中もう一度、ズズっと表層雪崩れが、すぐ脇で起こり、ああ〜、鳥になりたい。中岳のコルに達っし、ほっとするが、腰までのラッセルで、文三郎尾根へはとても行けない。また、文三郎尾根の上部も表層雪崩れが心配である。中岳のコルから谷を見ると、急傾斜の所はすでに新雪が流れた後があり、雪は安定しているので思い切って、中岳のコルから谷を下ることにする。ちょうど、谷の真ん中で、腰までのラッセルとなりどうにも進めないので、横に寝てぐるぐまわりながら下った。最後のご褒美か、トレースが現われた。これに沿って行者小屋へ帰れると思ったが、このトレースが瞑想していて、登ったり下ったり途中でなくなったり。。。どうなってるんだよーと悪態つきながら、がんがん下るとやっと行者小屋が現われた。

 今頃になって青空が見え、ここからは、嬉しい気持ちで美濃戸口の最終バス目指して駆け下った。

                         白石 美穂

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