ちばやま

ちば山の会2001年8月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



ブナと変化に富んだスキーツアー


【メンバー】CL;菊池典雄(TM)、SL;渡辺俊幸、植草克幸(船山)、内田泉(船山)
【行程】(日本スキーツアールート集;北田絃一P98を参照)
4月13日:千葉―羽生―東北自動車道―西那須野塩原IC―田島−只見町入叶津(2:30)
4月14日:入叶津(7:45)―国道289号―87番電柱より左手の山に入る―平石山からの尾根のコル状の地点を小三本沢側へ乗っ越す―小三本沢右岸―スノーブリッジ―小三本沢左岸―沼の平の南東側―安沢―大斜面末端―(13:15)1350m休憩地点―1440m(避難小屋付近)−休憩地点(14:10)―往路を滑降―入叶津(16:30)

【山行記録】天気;晴れのち薄曇
 慌しく準備したものの、出発は予定より遅れて7:50。(400m地点) 除雪されてない国道289号の上を北上。すぐに左側の断崖から雪崩れたデブリをいくつか超えた。当日は条件が良かったが、早い時期や日によっては、雪崩れの危険性がある。8:50、87番の電柱(450m地点)から左に折れて山に入る.沢状地形をトレースに沿って上り始めるとすぐに周辺はブナの林となる。9:00白い道標らしきポール地点で休憩、無風の好天気のためかなり暑く水分補給が頻回に必要。その後、先行のツボ足グループのトレースについて道路状の地形を数十m僅かに下って行ったが、どうもその先が間違えたルートのようで、すぐに左の斜面を登ってみた。間もなく、左の方から、さきほどの休憩地点からストレートに到達できるようなルートがあった。先行ツボ足グループのトレースを信じきったのが間違いであると反省した。この辺が平石山からの尾根のコル状地点のようであり、右下方に見える小三本沢側へ乗越すように左からの斜面をトラバースして進む。左の急斜面からのデブリが迫っている個所があった。右下方には表面の雪が解け始めた沼が見えた。平石山からの尾根に沿って(左側は尾根にそそり立つブナの急斜面)しばらく進む。この辺一帯はまさに期待したとうりの評価25点満点の素晴らしいブナ林である。(ブナの山旅;坪田和人・山と渓谷社)赤布と、登りでは振り返ってみてはじめてわかるが、ブナの大木にも赤ペンキで印が所々につけられている。10:30スノーブリッジを使って小三本沢を左岸に渡る。一段登って沢沿いに進むと沼の平南東側の沼のほとり付近を行くようになる。ブナの原生林の中にルリ色の沼が静かにたたずんでいる。間もなく猿崖と右手からはいってくる安沢が見える台地状の所でルートファインディング。ツボ足グループは小さな沼の真中のスノーブリッジ状の所を渡り、沼のほとりの急斜面を登っている。ルート集ではこの辺で安沢の出会いから沢を進むようになっていた。再びツボ足ルートについて行ってしまった。10:50、784m地点のブナ林で休憩。これから突入する安沢に不安を抱きつつ行動食・水など補給し体力の回復を待った。先は長い。ツボ足ルートについて、安沢左岸の急斜面を上り始めたが、シール登行は困難と考えザックにスキーをくくりつけた。シール登行で先行した俊ちゃんは40度近い斜面(下は安沢の平らな沢底)のトラバースにさしかかり、左手にストック、右手にスキーを持ったまま横切りはじめた。バランスを崩したのか、あっという間に我々の見ている前で滑落。10mほど下にあった深さ2mばかりのクレパスに落ちてしまいました。幸いに上半身が出ている形で止まり、指の切り傷程度ですみました。その後私も慎重にトラバースしましたが、雪は軟らかく、スキーをザックに固定していても.非常に怖い思いをしました。

 しばし体勢を整えた後、安沢の沢底をぐんぐん高度を稼いだ。両岸の急斜面、特に左は割れ目がかなり見られ、雪崩れを心配しながら、緊張を強いられた。沢の上部が狭くなり左にカーブした直後の998m地点で休憩(12:05)。その後左の尾根のブナの斜面に取り付き、キックターンで高度を稼いだ。徐々に斜度が緩くなり頂上から続く大斜面の末端にでた。13:20標高1323m付近の山頂の見える疎林の中で休憩。植草君と私は標高1400m付近までシール登行したが時間切れにて登頂断念。休憩地点まで滑降し、ビールで乾杯。素晴らしい周囲の山々の景色を堪能し、14:05下山開始。

 滑りやすいザラメとブナ林の変化に富んだ斜面から安沢に滑り込みました。登りの緊張感とは違った緊迫感を抱きながら,狭い安沢をグングン高度を下げていきました。沢コースは比較的狭いものの、引き締まった雪と雪面が荒れていないため滑り心地はよく,疲労した足には助かりました。俊ちゃんの滑落地点を通過しさらに沢の出会い付近から,沼の平を経由しブナ林を縫うように変化のある長いコースを下って行きました。15:45国道との合流地点(87番電柱)に到着。その後平坦な国道に沿って,ヘトヘトになりパスカング滑走。16:20,漸く入叶津に到着。只見町温泉センターで入浴、吉亭にて夕食後、帰葉。

 今回のツアーで感じたことは、ルート集や地図などを検討していても、残雪期のルートファインデイングは難しく、また行程が長いため、十分な時間的余裕が必要であることを,痛感させられました。


                         文責 菊池 典雄

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