ちばやま

ちば山の会2001年12月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



西上州・毛無岩(けなしいわ)


 ひさしぶりに人に会わない山に行きました。

 群馬県・下仁田町から南牧川(なんもくがわ)に沿って南牧村に入ります。あまり登山者が来ないのか、県道には登山口を示す案内がありません。
 深夜、やっと登山口の道場に着きましたが、意外にもそこは集落の外れで人家がありました。ちょっとテントは張れません。結局、県道まで戻り、偶然見つけた案内板をたよりに南牧村自然公園に行きました。そこは群馬県と長野県との県境に近い山腹で立派な施設です。キャンプ場の他に泊まりたくなるようなバンガローやテニスコートまであります。会山行などでも十分利用できます。(ただし営業期間外でした)翌朝、明るくなって見渡せば南牧川の谷と岩山が一望できる絶好の場所でした。

 登山口・道場の山ノ神神社には毛無岩の登山口を示す小さな表示があります。しばらく杉林の中の道をたどります。木立ごしに岩峰が見え隠れし何度か沢を渡ります。
 道は落ち葉に埋もれている時もあって、沢を渡る時など踏み跡を探しました。沢の二又には塔のような岩峰が聳え立ち、驚かされます。
やがて沢の音が聞こえなくなると気持ちのいい雑木林になりました。稜線までもうわずかですが、小春日和の日溜りに1本いれたくなるところです。
 稜線は荒船山から東に伸びる縦走路で立派な道標が立っています。東に行くとすぐ毛無岩分岐で再び踏み跡道になります。尾根は次第に細くなって六方石(六角形の柱状の石)の露出したピークに立ちます。
 毛無岩の大岩壁が眼前に迫ります。一端鞍部に下って最後の登りは木の根・岩角につかまってのナイフリッジでした。山頂は狭く4〜5人で一杯です。しかし展望はすばらしく360度さえぎる物はありません。近くに西上州の岩山が目立ち、遠くには荒船山・妙義山・赤城山・浅間山・八ケ岳・両神山などの姿が明らかでした。

 下山はそのまま東に進みます。ナイフリッジはありませんが急勾配で緊張が絶えません。三つピークを越え南に急降下すると毛無岩を巻いている縦走路に出ます。縦走路を少し西に戻って登山口に下る尾根に入ります。ここも急な岩尾根です。足元は落ち葉の吹き溜まりが道を隠し滑りやすく、慎重に下りました。振り向けば毛無岩の岩壁がそそり立っています。『よくあんな所に行ったもんだ』と思えます。やがて尾根を左に折れると南面した谷にはまだ紅葉が残っていました。紅葉谷といった風情で岩山に色取りを添えていました。
 やっと沢に降りて落ち葉のラッセルから開放されました。道も平坦になりホットします。そこから登山口まではもうわずかでした。

 毛無岩は標高(1275)のわりには眺望も良く、岩峰の登り下りの緊張感など、短時間のハイキングとしては変化に富む充実した山行でした。あわせて南牧村のたたずまいは、どこか昔の山里を思わせ、素通りするのは惜しい思いがしました。

 お土産は下仁田ネギとコンニャクです。
 初めて西上州の山に行きましたが、これから何度も通うことになるでしょう。

2001/11/16〜17 8:30登山口 11:00毛無岩 13:40登山口 約5時間

          橋本・柴田・高野・山崎


                         山崎

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