ちばやま

ちば山の会2002年5月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel%Fax 043-255-9821



八ヶ岳 大同心雲稜(敗退)

日時:平成14年1月12日(土)〜14(月)
参加メンバー:CL原見(松戸山の会)、白石(美)(記)
12日:美濃戸口ー8:00〜赤岳鉱泉11:00〜ジョウゴ沢〜赤岳鉱泉
13日:起床4:00〜赤岳鉱泉4:30〜大同心稜〜雲稜取付5:50/6:20〜2目終了点〜大同心稜〜赤岳鉱泉
14日:赤岳鉱泉〜大同心大滝〜赤岳鉱泉〜美濃戸口


八つの雲稜は、冬壁登竜門的なルートである。3年位前から気になっていたルートで、同じルートを目指すパートナーに恵まれやっと舞台にたてたなという嬉しい気持ちで出発した。とは言っても、アイゼンは、爪のまるまったアイゼントレ用を持って来てしまい、コンデションは、正月引いた風邪を引きずったままの入山となった。

結果は、2ピッチ目で白石が墜落してしまい、あっけなく敗退となってしまった。

初日は赤岳鉱泉に着いてから、大同心稜をのぞくとトレースがないので、明日のためにトレースを付けに行く。大同心は思っていたより雪が乗っていて白いが無風快晴で状態は良い。その後、ジョウゴ沢で少し遊んで早めにテントでくつろぐ。松戸山の会の森真平ちゃんや青木さんらと一緒に久々に大人数で夕食を楽しむ。

朝、大同心稜でゆっくり準備をして明るくなるのを待って一番で取り付く。5P目が一番難しいと聴いていたので原見さんから行ってもらう。

1P目、フリーから人工に移る所にわずかなテラスがあり、そこに思いの外雪が積もっていて、バイルバイルと思うが自分の体に引っかかり少しあせった。雪が乗っているからか、人工を過ぎてからビレー点までピンが1本しかなく意外と悪かった。なんと原見さんは、バイルアブミで進んだらしい。

2P目、トポだと人工になっているが、ボルトの間隔が人工だと遠くフリーだと近いという具合だった。2mほど左にトラバースしてビレー点に出た。ここで原見さんから、後半分のコールがあったが、トポに大テラスまでピッチを伸ばした方が良いとあったので、さらに進むことにした。それに、原見さんはちっと早めに後半分のコールをするのである。凹核を越えて、なんとなくルートが分からなくなる。真っ直ぐ上にボルトが見えたので行くことにする。少し行って、思ったより立っていてホールドが悪く、これはルートが違うかもと2歩戻った所で落ちてしまった。落ちるかも知れないなあと構えていたので綺麗な落ち方だった。凹核の所を落ちていき、どこにもぶつからずにロープで止まった。10m位か。いろんなことを考えた。フレンズが抜けたとか、メガネのレンズが割れて顔から血が出てるかもしれないとか、原見さん気付いてよとか、シュリンゲ落としたか・・・

無事を確認して、そのままロワーダウンで原見さんのところまで降りる。無傷であった。再チャレンジする自信がなかったので敗退懸垂下降を決める。ランニングを回収しなかったことが心残りだった。大同心稜に戻ってお茶を飲みながら無風快晴誰もいない大同心を眺めた。

翌朝、腰が重いなという感覚があったが、せっかくの3連休だったので大同心大滝を半分登って午後帰葉した。

2ヶ月程、腰が痛かったが自然に回復した。同じ間違えだけは繰り返してはいけないと思う。


【独り言】

山で飲む紅茶が好きである。まずティーパックを2つ用意する。銘柄などは何でも良い。そして湯を沸かす。湯が完全に沸いたところでガスを止めティーパックを入れチャポチャポ上下させる。この時、細かい泡がシュワーと上がって来る。ティーパックは適度に絞って捨てる。次に大きなスプーンで三温糖をたっぷり4杯入れかき混ぜる。ポイントはティーパックと砂糖をケチらないことである。甘くてしっかりした紅茶の味が楽しめる。

1人で丹沢鍋割山へ行った時林からハトがバタバタと出てきて驚いた。雪上訓練で芝倉沢を詰めた時感激して涙があふれた。どちらも大学1年の時だった。だんだんと、驚くこと感激することが少なくなってきている。

穂高屏風岩ディレッティシマの2段テラスで、丸山東壁のホテル丸山で、冬の八ツ大同心右フェースルートの後で、美味しい紅茶を飲んだ。コッフェルに出来上がったジフィーズ2食分の真ん中に線を引き、半分食べる。そして美味しい紅茶を半分飲む。コッフェルにガスとヘッドを片付けると後は何もすることがない。

一緒に美味しい紅茶を飲んだパートナーが、先日、城ヶ崎で墜死した。私より年下なのに、おだててくれて、本チャンのリードを半分任せてくれて、越沢バットレス青梅ベルグハングなども練習したものだ。彼はここ2〜3年急に上手くなって一緒に行くことはなくなっていたけれど。

最近、軽量化のため夜は寒く食事は粗末な山行が多い。そして紅茶のティーパックもケチっていることが多い。今度山に行く時は、たっぷり紅茶と砂糖も持って行こう。

                         白石(美)(記)

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