ちばやま

ちば山の会2002年5月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

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「私の一名山」   その2<荒川岳>


 沢登りにいかない?。 え!、沢ってどういう風に行くんですか?。 あのねー、底にフェルトのついた靴がいるんだよ。水に濡れてもいい格好で来て、、、。

 ちばやまに入ってまもなく甲武信岳へと続く東沢に誘っていただいた。 ああ、こういうのが沢登りなら、ずっと前にも行ったなあーー。 革靴でジャブジャブと入ったけ。    そう!あれは私達が41歳、子供が高1、中3だった。

 子供たちの夏休み入りを待って、荒川岳、赤石岳をめざした。小渋川をさかのぼった。最初のうちは膝ぐらいの水で、ふざけ合いながら渡渉だったが、そのうちに、胸まで水びたしになり、流れに押し流されない様に必死だったり、水の中で手間どっていたら、たちまち手足が痛くなったり、夕方やっと無人小屋までたどり着いた。

 次の日、急登を6時間位過ぎた頃から雨、、、。粗末な荒川小屋に泊まった次の日もまた雨。何―にも見えず、単独の1人を加えて引き返すことにした。 昼まえに沢に出たとたん体が凍りつく思いがした。水が増えている!!。巻き道があるはずだ。そのうち濁流にかわりはじめた。

 昨夜の無人小屋まで引き返し食料をみてまた青くなった。 ない!少ししか。ふきを煮て、1合の米をおかゆにして5人ですすった。心配で眠れずなんてことなくぐっすり眠ったけど、幸い、本当に運良く雨がやみ、山側の巻き道にはいった。 木の生い茂った下の廊下みたいな廃道になりつつある岩トラバースばっかり3時間。 最後の渡渉を5人で手をつなぎ渡り終わった時の感動が、脳裏をよぎった。

 おととし、山の姿さえ見られなかったあの荒川三山、赤石岳を縦走しました。いろいろな思いがあったせいか、大聖寺平を通った時も胸に来るものがありました。おすすめは荒川前岳から荒川小屋までのシナノキンバイの大群生。下っても下っても黄色のじゅうたんが続き、花の名所は数々あるけれど、忘れられない1つです。もう、南の方も開けてきて、山の原点も薄れつつあると思うのですが、近いうちにもう1回行こうと思う山です。

  「私の一名山」、次回は、西山忠明さんにお願いします。

                         小倉笑子(記)

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