展望の山は数多く有りますが、標高もあり周りを睥睨できる、富士山、北岳、八ヶ岳、奥穂高岳や槍ヶ岳からの眺めも素晴らしいとは思いますが、その場所に自分が立つとその山塊が見られないし又眺める山々が離れ過ぎてたりします。展望場所は両側に山塊が広くしろがり見渡せる所が一番だと思います。槍・穂高も両側に山脈に挟まれており、展望も申し分ないのですが、やはり槍・穂高は大天井岳〜蝶ヶ岳から眺められる山だと思います。私にとっては裏銀座縦走中に登った野口五郎岳が一番です。特に特徴のある山容ではなくドッシリとした丸っこい山体ですが、眺められる山と言うよりは他の山々を眺める展望台的な山だと思います。位置関係も烏帽子岩・三ッ岳・野口五郎岳・真砂岳の一連の山塊は両側の山塊の中心に居るようで、間近に百名山が指呼のまゝに見えるし北に立山・後立山連山、東に槍・穂高・鷲羽・笠ヶ岳・富士山、西に水晶・赤牛岳と展望にはもってこいの位置だと思います。今回は普段の行いも良いせいか晴天に恵まれて雲一つ無く抜けるような青空で、野口五郎岳頂上には遮る物もなく、眼の前には手の届きそうな所に水晶岳が、眼を横に振れば後立山連峰から槍・穂高岳が眼前に広がり百名山も十指以上も数えられます。出来るならパラソルを立てビールを飲みながら何時までも佇んで至福の時を過ごしたい気分です（下戸ですけど）。口説くなりますが他を眺める山は野口五郎岳です。１１月号の『私の一名山』は菊池さんです。お楽しみに。