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秩父・大常木谷 顛末記
9月3日(土)〜4日(日)メンバー 柘植(L) 浜本、石井、大塚、石橋(記)
当初、谷川岳の万太郎谷の計画でしたが、谷川周辺の天候が雨模様により、第2案の大常木谷に変更になりました。万太郎谷はまた来年に持越しです。
9月2日(金)22:00、柘植車でメンバーをピックアップして一路、奥多摩に向けて出発。今宵の仮眠場所は鳩の巣駅近くの駐車場。疲れを癒して仮眠。
9月3日(土)早朝、一ノ瀬林道に向け出発するが、途中で『全面通行止め』の看板があり、これから通るおいらん淵と一ノ瀬林道分岐の手前までが通行止めだとわかる。おいらん淵の通行止めのゲートのところに車を駐車して、身支度を整えて通行止めの柵を乗り越えて車道を歩き出した。すぐに通行止めの原因となった丹波川本流・おいらん淵上流の崖の崩壊跡が見えた。かなり大きな崩壊で対岸の車道まで岩が飛んできたようで大規模な修復工事をしていた。そこにのこのこと歩いて行ったものだから、工事現場の監督らしき人に厳重注意を受けてしまった。「全面通行止めの看板があっただろう!全面通行止めということは人も車も通ってはいけないことだ!」などなど……全く返す言葉がありませんでした。帰りは絶対にここは通らないということで通してくれました。私達は帰りの下山道を確認して体を小さくして通させてもらいました。
一ノ瀬林道に入り、大常木谷の下降点に到着。沢支度をして一ノ瀬川に下降して一ノ瀬川を少し下流に遡行して大常木谷出合に到着。いよいよ遡行の始まりです。過去2回ほど大常木谷に入渓しているが歩き始めは期待と不安が入り混じる。大小の釜がある滝がいくつも出てくるが、思い切って釜に入ったほうが楽しい。入渓してまもなく五間ノ滝(8m)に到着。先行パーティがすでに滝に取り付いていた。総勢8名で練馬山の会だと言っていた。
待たされるかな……と思っていたら、親切に「お先にどうぞ!」と言ってくれた。遠慮せずに先に滝を登らせてもらう。 次に現れた千苦ノ滝(25m)の滝は登れないので左岸を高巻くことになる。昨年同様、小尾根上に出てから踏み後を見つけて滝の上に出ることにしたが、懸垂下降で沢に下りているときに練馬山の会の人たちがさっさと滝上に現れた。どうもこの滝の高巻は小尾根上に上がらず、高巻の途中のかすかな踏み跡をトラバースして行くと滝上に出られるようだが、知らないと見落としてしまう。フィックスロープを張ってトラバースをするらしい。ここで練馬山の会に先行されてしまうが、途中休憩していたので私達がまた先行した。
しばらくして山女淵に到着。水中にある橋のようになった木を使っても左岸にある残置シュリンゲを使っても通過できる。次の早川淵は水流添いにスタンスを見つけて通過もできたが、壁の上の方に行った柘植さんは足場が悪く、短いが懸垂下降で下りた。その間にまた練馬山の会に先行されてしまう。次に現れた滝(5m)では練馬山の会が登り終えるのに大分待たされた。私達の順番が回ってくるまでに体が冷えてしまい、釜に入るのに思い切りがいる。滝の登り口のホールドが小さいのでザックをおいて空身で取り付いた。リードの柘植さんは寒いのが大の苦手ということで震えながら釜に入っていった。その後の4人もザックを先に滝上にひっぱりあげてから空身で滝に取り付いた。私は余計な力を使わずに登れたので助かった。
その後からでてくる滝も順番待ち。まだ時間にも余裕があったので待っていたが、待っていると体が冷えるが、高巻かずに練馬山の会が登り終えるのをじっと待って滝を登った。不動の滝(8m)を登ってからはゴーロの河原歩きとなり、幕場の会所小屋跡の台地に到着した。
練馬山の会のテント2張りと私達のテント1張りが充分に張れる広さで、すぐにテントを張り、薪を集めて夕食の支度に取り掛かる。焚き火を囲んで酒を飲み、至福の時を過ごす。
9月4日(日)5時起床。前夜の焚き火の熾きで火を復活させる。焚き火を囲んで朝食をすませてテントを撤収し下山にかかる。帰りは大常木林道を利用して丹波村に出る予定でいたが、この登山道はあまり使われていないようで、歩き始めは急峻な斜面のかすかな踏み跡を頼りに取り付いたが、その先の踏み跡が不明瞭で先の様子もわからないので引き返し、道のしっかりした竜喰谷方面から帰ることにした。
一の瀬高原に到着し、石井さんの提案で柳沢峠〜丸川峠〜泉水谷林道経由で車が駐車してある、おいらん淵に行くことにした。一ノ瀬からタクシーで柳沢峠に行き、そこからハイキンク気分で歩いて3時間ほどで泉水谷林道に到着。林道脇で一息入れていると一台の車が着た。声をかけると止まってくれたので柘植さんだけ乗せてもらって先においらん淵に行ってもらった。その車が行ったすぐ後にまた車がきた。今度は車から止まってくれて乗せてくれるというので残りの4人が乗り込んだ。2時間ほどの林道歩きを省略でき大助かりでした。
この車の人は地元に人らしく茸取りで山に入ったらしい。きっと茸のいっぱい取れる場所を知っているのだろう。おいらん淵で先に行った柘植さんと合流して無事に山行を終了できたことに安堵し、一路千葉に向けて車を走らせた。台風後に入渓し、あまりの水量の多さに敗退したのを含め、今回で4回目の大常木谷でしたが、全く同じ行程はありませんでした。なかなか楽しめる沢の一つだと思いました。
追伸:おいらん淵の崖の崩壊の原因は7月にあった千葉が震源地の震度5の地震で崩壊したそうです。どんな原因で崖が崩壊してもおかしくないところが沢山あります。次の週には上茂さんと日原川上流の大雲取谷に入渓したが、やはり谷の途中が崖の崩壊で谷が埋まり、遡行が困難で尾根を高巻いて再び沢に下りた。百名谷にもなっている大雲取谷も魅力が半減してしまい下流部は遡行できなくなりました。
石橋
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2005年 千葉県勤労者山岳連盟 ちば山の会
http://www.chibayama.com