ちばやま

ちば山の会1998年7月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel・Fax 043-255-9821



<<コブ沢で事故があったとの無線が…>>
山行報告(技枠)穂高 岳沢周辺 5.2〜5.4     報告者 西潟安久         参加者 酉潟・飯田山岳会11名 5.2 沢渡〜上高地〜岳沢BC   5.3 降雨にて停滞 5.4 3:00起床 4:30奥穂南稜に向け出発 8:00トリコニー    11:30奥穂山頂 13:30天狗のコル 14:30BC帰着    15:30BC撤収 17:30上高地 沢渡発21:30 飯田着0:30  実は昨年の連休も穂高に行ったのですが、雨で3日間ずーと寝てばかりいました。 今年も穂高と聞いて、やはり一回位はあの有名な山に登ってみなくちゃな、ということ で前にいた山岳会の合宿に参加しました。お昼ごろ丈沢ヒュッテに着いて、ヒュッテの 上のほうへ、テントを張りました。 5月3日は前の晩から、凄い雨でした。テントの周りの雪が溶けて、土俵の上にテント が張ってあるようにみえました。 5月4日、合宿最終日は、目が覚めるときれいな星空でした。 奥穂南稜から天狗沢をまわるチーム(4名)と、奥明神沢から前穂高岳ピストンのチー ム(8名)に分かれて歩きはじめました。私は、南稜チームに入りました。今年はほん とうに雪が少ないそうで、アイゼンは南稗に取り付いたところで外したまま登りました。 ザイルは取り付きの濡れた岩場で1回使用しただけでした。ごく一部に雪が残っていま したが、ほとんど夏道といっていいほどでした。 2時間おきに前穂チームと連絡をとっていたのですが、トリコニーを過ぎて、定時連 絡をしようとしたところ、コブ沢で事故があったとの無線が入りました。なんとか岳沢 ヒュッテに連絡したいとのことでした。前穂チームに、調子が悪くて無線機を持って早 い時間にBCに降りた女性がいたので、彼女と連絡をとろうとしましたがうまくいきま せんでした。コブ沢のバーティーとは再度つながりましたが、徒歩で助けをよびに岳沢 に向かったということで、当方も.前穂チームもどうすることもできず交信を終わりま した。実際はBCに降りた女性は交信を聞いており、電池がなく送信ができなかったよ うです。彼女はヒュッテまで行って事故発生を知らせたのですが、詳細がわからない為 ヒュッテでもどうすることも出来なかったそうです。 私も、もう少し落ち着いて対応していれば少しはお役に立てたのではないかと、とて も残念です。またこの事故に遭われた方は亡くなられたそうです。ご冥福を祈ります。 その後奥穂山頂にはお昼前ごろに着きました。稜線を歩いていると急な雪面をトラバ ースしている所で、松本でも先鋭的なことで有名な会のパーティーが荷を下してザイル を出していました。「さすが、〇〇〇ともなるとこんな所で雪訓するのか…バケモンだ なぁ」なんてことを考えながらトラバースをしよつとした1歩めが、スバッテしまいま した。幸いピッケルが利いて尻餅をついただけでしたが、今回2回目のヒヤリ・ハット でした。しかし後で聞いたところそのパーティーの一人が、私たちが通る少し前に滑落 してしまったとの事でした。幸いN滑落停止がうまくいき、本人は全くケガもなく、ザイ ルで上がってきたところだったようでした。 あと50mで天狗のコルという所でまたやってしまいました。今度は私がグラついた 石を踏んでしまい、落石を起こしてしまいました。20mくらい下を歩いていた仲間に 当たるかと思われましたが「ラリ!ラク!ラクワー!!」の絶叫に気がついてくれ、サ ッサと小走りでよけてくれました。ほんとうに当たらなくてよかった。 そして天狗沢をおりてBCに帰ることができました。前穂チームはだいぶ前にBCに おりていたので、すでにテントは撤収してあり、少し休んでから上高地におりました。 そこで驚いたのは、バスやタクシーの順番待ちの行列がバスターミナルから河童橋まで 伸びていたのでした。3日の雨で道路が崩落したことと、安房トンネルの開通のための 渋帯が重なり、バスやタクシーが上高地まで上がってこれないとのことでした。4時間 位かけてやっと沢渡におり、飯田に帰ったのは夜中の12時をすぎていました。 最後に今回の山行で考えた事は「やっぱり穂高は半端じゃない」という事でした。危 険がこんなに身近にあった山行は正直はじめてでした。かなり、しょっはかったです。
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