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【山域】 | 北アルプス | |
【場所】 | 針ノ木峠〜蓮華岳〜船窪岳〜野口五郎岳〜鷲羽岳〜新穂高温泉 | |
【日時】 | 2007年8月8月3日〜7日 | |
【メンバー】 | 菊池単独 | |
【工程】 | 22日:5:40一の倉駐車場発-7:40南稜テラス-10:50終了点-13:22一の倉岳-15:35武能岳-16:30蓬峠-17:37白樺避難小屋(泊) 23日:白樺避難小屋-芝倉沢出合-一の倉駐車場 | |
【天気】 | 曇り一時小雨(日本海側に台風通過) |
【内容】 |
昨年の種池から針ノ木峠までの縦走に続き、4泊5日という長期の単独テント泊縦走で親不知から南岳(北穂の手前)まで繋ぐことができた。1999年南アルプスの千枚岳・悪沢岳・赤石岳・聖岳・光岳の山小屋4泊5日以来の長丁場であったが、最近は20kg前後の重荷を背負ってのテント泊縦走も、ノウハウを心得、また日頃のトレーニングの効果が徐々に見えているようである。 台風の進路により、日程を遅らせ予備日を使うか、途中でエスケープルートに下るか、直前まで台風情報に悩まされた。幸いに九州から日本海を迂回する状況のため、針ノ木雪渓を登る時には多少天気が悪くてもその日の夜が最も台風に影響されるが、翌朝には徐々に影響が少なくなり天気は回復兆しが確認されたため、予定通り2日のムーンライトで大町に向かった。 1日目(8月3日)・曇り一時雨:扇沢7:30〜針ノ木雪渓〜13:00針ノ木峠2541m(テント泊) 1週間前なんとあの早川氏が山スキー今シーズンの滑り収めを行った状況が、山スキーMLに流れた。小生も5月下旬と6月初めに2回山スキーで針ノ木山頂に達し、昨年は縦走で雪渓を下った。4度目のルートであるが、流石に20kgを越す重荷である。4本爪アイゼンを装着しゆっくり登った。曇り一時雨模様のため気温の上昇がなく幸いした。水場は雪渓の上部に数箇所あることが最終的に確認されたが、上部にあるか不安だったため下のほうで約4リットルを補給した。稜線直下の急登は薄日が射しており22kgほどの重量に青息吐息で峠に到着した。テント設営後(小生を加え3張り)、針ノ木岳山頂に向かってお花畑を見に行った。山頂はガスで覆われ見えないが、一瞬お花畑の向こうにスバリ岳を垣間見た。蓮華岳方向は視界良好、チングルマの群落を前景にデジカメに収めた。徐々に天候が悪化傾向でもあり、途中で引き返し早々と夕食。担ぎ上げたビール1本は到着時既に飲み干していたため、山小屋で1本購入、テント泊可能で無難な初日を祝って一人で乾杯、メニューは定番のレトルトカレーとイワシの缶詰。 疲れていたせいか、7時前に早々と寝てしまった。何度も目覚めたが、1時頃までは徐々に風雨が強まり2日目が心配であった。2時頃には雨も上がり、風も徐々に弱まってきた。 2日目(4日)・曇り時々雨:針ノ木峠6:30〜蓮華岳2799m〜北葛乗越2275m〜北葛岳2551m〜七倉乗越〜七倉岳2509m〜12:48船窪小屋2549m(泊) 地図上の歩程は約5時間半、風が弱まるのを待って6時半ころ出発、蓮華岳の頂上に近づくにつれ、風と濃霧に悩まされたが、白っぽい粉岩が山頂周辺に広がりこの環境を好むコマクサの大・大・大群落である。視界不良とはいえ見事の一語である。とりわけ南斜面の下りは圧巻だ。マクロで撮影を繰り返し、コマクサの大株を前景に山々のシルエットを遠景に会心の一枚。なんとあのシロバナコマクサが数箇所にみられ大興奮。蓮華の大下り(標高差500余り)に代表される北葛岳・七倉岳への急登降には、蒸し暑い中、かなり辛かった。こまめに水分補給と行動食の摂取に努めた。それでも船窪小屋に近つくと、なんとあのムシトリスミレを初めて見ることができ、疲れが一気にふっとんだ。タカネバラ・ミヤマムラサキにも出会えた。憧れの船窪小屋だけは、小屋泊ときめていたが、噂以上に素晴らしかった。口数は少ないが適切なアドバイスをくださるご主人、奥さんの素晴らしい手作り料理、メインのてんぷらには、蕨の頭、アザミの葉など。デザートまであり。7時にはネパールからきているシェルパさんのティータイム。水代をケチって往復30分以上の水場に行った。テント場の近くであるが、不動沢方面へのやや危険な崩落地にあった。 3日目(5日)・晴れ時々曇り:船窪小屋5:25〜船窪乗越〜船窪岳2459m〜不動岳2601m〜南沢乗越〜南沢岳〜烏帽子田圃(四十八池)〜15:15烏帽子小屋(テント泊) 今日は中日、これからの3日間は長丁場、本日の地図上歩程は7時間50分。15名程度の宿泊者で烏帽子に向かうのはただ一人、窓越しに奥さんに送られて一番出発。不動沢への崩落が激しく、その脇に付けられた登山道はやや危険な箇所が数箇所あるとのこと。天気も急速に回復、水も3.5リットル確保し気合を入れて船窪乗越に下った。途中、蟻の門渡り(?)とかいう数本丸太を渡してある箇所(大したことはなかった)とロープに頼って急斜面のトラバース下降ではストックはザックにつけ、両手をしっかり使って慎重に降りた。その後もハシゴ、ロープが数箇所、船窪岳への急登は本日の難所であった。それでも、テガタチドリや、タテヤマウツボグサの鮮やかな紫色の群落に癒された。不動岳の頂上までは、不動沢への広大で凄まじい崩落地を覗き込み、七倉ダム湖を垣間見、汗を拭いながら頑張った。途中、豪快な針ノ木岳がかっこう良く望まれた。 不動岳の頂上からは展望が開けアップダウンの標高差も少なくなり稜線漫歩気分、残雪の多い立山連峰・赤牛岳などなど。南沢岳を過ぎると烏帽子岳が近づいてくるが、あまりかっこうが良くない。長丁場のフィナーレに近づいて疲労度が強い、烏帽子は割愛。お花畑にかこまれた四十八池の畔で休憩。誰もいない。水は綺麗だし、この際、汗臭い身体を拭き、頭まで洗ってしまった。すっかりいい気分になり、烏帽子岳の脇を通り頂上への分岐点を通過、烏帽子小屋への緩やかな登り、振り返ると、こっちからの、烏帽子は凄くかっこいい。ブナ立尾根から小屋へ到着した方には、烏帽子岳に向かう人がかなりいた。 15:15長い1日は終わり、ブナ立て尾根からの登山者で賑わう烏帽子小屋に到着した。小屋の前にはイワギキョウが一面に植えられており(?)、その前のベンチでくつろぐ登山者に混じって、350ccは一気にノドを通過した。近くに残雪やひょうたん池等があるが、水場はなく3.5リットルと350ccをもう1本購入した。小屋から登山道をほんの少し下った天場には既に5〜6のカラフルなテントが張られていた。本日のルートを辿る登山者は極めて少なく、逆コースで出合ったのは、2〜3人の単独者のみであった。 蓮華岳のコマクサ、船窪小屋の素晴らしさ、急なアップダウンが多く、また浮動沢への大崩落地に沿ったルート、裏銀座の始まりの烏帽子小屋の賑わいが印象に残った。 4日目(6日)・晴れ:烏帽子小屋テント場4:45ー8:45野口五郎岳2924m−東沢乗越2734m−水晶小屋2900m−鷲羽岳2924m−15:20三俣山荘2550m(テント泊) 地図上の歩程約8時間50分で今回の最長コース(森林限界上)である。昨夜は満天の星が素晴らしかった。気合を入れて夜明け前に出発、間もなく日の出を向かえ暫しデジカメ撮影。昨日までの湿気の多い天候と打って変わったカラッとした朝の冷気に徐々に周囲の山々がくっきり視野に入ってきた。北西方向に立山連峰を振り返りながらゆっくり砂礫地帯の緩斜面を登っていくとコマクサを楽しめた。紺碧の空を仰ぎ見ながら、緑のやや急斜面になると南方向に初めてくっきりと槍岳の穂先が遠望でき、感激、感激。間もなく三ツ岳2884m山頂を通過、朝日に染まる赤牛岳から水晶岳が見えた。お花畑コースを選ぶと流石に裏銀座、逆ルートからの登山者が見られるようになり、槍岳をバックに十数名の団体さんをデジカメに収めた。野口五郎岳への稜線をゆっくり登り、頂上直下の小屋で小休止。遮るものの無いロケイションのためか?小屋番はまるで黒人の如く露出部分の黒さと目の白さが対照的であった。残雪たっぷりの大カールが見事な野口五郎はさすがに偉容を誇っていた。頂上には、数パーティの登山者が休憩しており、快晴のもと360度の大パノラマを楽しんでいた。東沢谷を挟んで正面に見える水晶岳(黒岳)は岩稜のダークグレィ・残雪と緑のコントラストが素晴らしく、以前に見た夢ノ平から見上げたこれまた素晴らしい偉容を思い出した。東沢乗越まで約200m下ってから急登する約2時間半のルートを水晶小屋に達すると親不知から繋がるのである。再度気合をいれ、最後の赤茶けたルートに向かった。最後の狭いポイントで20名以上の団体さんを長時間やり過ごし漸く小屋に到着、水晶岳までピストンする方々が多数。暫し休憩、行動食をしっかり摂り、最後の頑張りである鷲羽に向かった。小屋を下った直後にもっともl高山帯に生息する黄色の【クモマスミレ】(タカネスミレ)を発見、感激。ワリモ岳を通過し鷲羽岳への登りは予想以上にピッチが上がってしまった。以前に登頂したときには濃霧の中、今日は視界良好、黒部五郎、鷲羽池、三俣山荘から三俣蓮華・双六が眺められた。登りのハイペース、頂上での休憩が少なかったせいか、予想以上に筋肉疲労はしているもので、三俣山荘までの標高差約400mの急降下は、苦手意識も手伝い、また最後の下りで怪我をしないように慎重になり甚だしくペースダウンした。 テン場の水場に近いところには既に多数のテントが所狭しと色とりどりの花を咲かせていた。3回目の三俣山荘であるが、初めてのテント泊を楽しんだ。 5日目(7日)・晴れ:三俣山荘テン場5:30−三俣蓮華岳ー双六岳−双六山荘ー鏡平ーわさび平−15:25新穂高温泉 最終日も地図上の歩程は約7時間30分と長いが、好天と過去に2・3回経験済みのルートであるため気が楽である。山頂付近がモルゲンロードに染まる鷲羽岳を振り返り振り返り、ゆっくりペースのスタートを切った。三俣蓮華から双六岳付近はカール状地形に残雪がたっぷり、この辺りの春山スキー未経験の小生にとっては、垂涎もの !! 来年のGWは山スキー仲間とこの辺にしようと思いを馳せた。双六山頂付近からの例の槍・穂高連峰の景色はよくガイドブックなどにも紹介され有名である。時々槍穂と穂高の一部が見えるが、頂上付近に右から次から次と雲が移動し覆われているためなかなかシャッターチャンスが訪れない。それでもゆっくり歩きながら頂上が見える瞬間に数枚撮影できた。双六小屋には多数の登山客が休憩しており、ラーメンやコーヒーを頼んでいた。旨そうであるがグッとこらえて、残り一つのぺちゃんこになったバター入りのレーズンロール、これも最後の半分のキュウリにマヨネーズや味塩をかけて行動食とした。弓折岳に向かう稜線では、たった一輪の黒百合を見逃しそうな登山道脇に発見、適度な開き具合でこれまた会心の一枚が撮れた。つい逆ルートからきた高校生グループを待って教えてあげたら、女の子が3人、携帯で撮影していた。しばらくして、一面のお花畑に、なんと数匹の子連れ雷鳥に夢中になる登山者が数名。超カワイー。小生も必死になり、1m以内の至近距離で動画を撮りまくった。弓折岳手前から鏡平小屋に下る分岐点で休憩、そのころには正面の槍。穂高方面はすっきり見えており、GWに征服した豪快な飛騨沢の急斜面が今はダークグレィと緑のコントラストを醸し出し素晴らしかった。鏡平小屋の直前に熊の糞があり、小屋を過ぎた直後に熊の踊り場なる地点もあり、注意を要するか。鏡平で例の池に映る逆さ槍を入れた素晴らしい一枚を撮影し今回のデジカメ撮影を全て終了、一路新穂高に向かった。 15:25にバスターミナルに到着、16:10発まで余裕があったため、無料の温泉に入ることができた。平湯から17:25発の新宿行き高速バスに乗ることができ(平日であれば予約は不要であるでしょう)、渋滞もなく9時半前に新宿に到着。わが家には11時過ぎに着いてしまった。 さて親不知から上高地まで、残りは大キレットとジャンダルムである。奥穂から北穂は経験済み。今年中に大キレットをやるかなあ、心配で怖いような気がしますが、注意点と攻略法を誰か教えて!。来夏にジャンダルムは誰か一緒に行ってくれないかな。
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