富士山スキー山行報告

【山域】 富士山:富士宮口〜剣が峰
【日時】 2006.5.21(日)早朝発日帰り
【メンバー】 CL菊地、渡辺(俊)、岡田、長池
【ルートタイム】 6:15新五合駐車場(2400m)→9:07(3200m)→9:55(3387m)→11:00雪渓上端(3630m)→11:35山頂(浅間神社)→11:50剣が峰→12:20お釜下部→13:00雪渓上端→13:50雪渓下端→14:30新五合駐車場

 連休以来の悪天候が快復したせいか、駐車場は多くの山スキーヤーや壺足登山者で賑わっていた。出発。これから1400m弱の標高差を詰め上げることになる。2600m六号小屋では夏道が出ていて、板を背負い、スキー靴のままガレ道を登る。そのまま夏道を登る人も多いが、我々は右の雪田に入り、アイゼンを着け雪渓を一直線に登ることにする。堅締りのザラメ雪でアイゼンが良く効き登高の効率は良い。

2800mでインゼル状のガレを横切り右側の大きな雪渓に乗り換える。これを詰め、さらにもう一度ガレの小尾根を回って上部雪渓に出ると、あとはダイレクトに山頂に達する大雪渓となり、山頂下の岩尾根に挟まれた岩溝に達するまで遠く高く見通せる。

 3387m8号小屋前で小休止。これまでのところ高山病の兆候は無く快調である。足下に膨大な雲海が広がり、登ってきた壺足の踏み跡が裾野に向かって長く続いている。さらに3630mまで詰め上げると雪渓の上端に達した。ここまで4時間45分。歩きにくいザレの夏道を喘ぎ登り11:35浅間神社の鳥居をくぐる。続く雪の尾根を通って剣が峰へ。

 11:50最高点。私にとっては本邦最高峰の初登頂である。360°の眺望だが甲州側は足下に雲海が広がり吹き上げる強風がすごい。お釜は障壁に囲まれ奈落の底に吸い込まれるような雪壁が落ち込んでいて、底は見えない。写真を撮り滑降準備を整えて、いざ、お釜の雪壁に飛び込む。ザラメの急斜面は快適そのもの、ショートターンがビシっと決まる。お釜の中段で大休止、障壁に囲まれたお釜の中はびっしりとついた雪の壁や暖かい陽射しのおかげで穏やかに見え、我々の描いた円弧のトレースもはっきり見て取れる。

 さて、雪壁をキックステップで登り返す。ちょっとスリリングなトラバースで頂稜に達し、浅間神社の鳥居をくぐり出て往路のザレ道を下り雪渓の上端に立つ、いよいよ大滑降の開始である。  雪渓は大きく長く、足元から裾野に向けてまっすぐ落ちている。雪は緩んで傾斜もさほどでなく危険はない、大滑降には好条件である。先行者のトレースで荒れている部分を避け左の尾根際を選択する。小さな落石が散在するが雪面は滑らか、すばらしい滑走感が得られる。写真を撮り合いながら次第に高度を落として行く。

 残念なことには中盤からガスが湧きあがり視界は不鮮明になってきた。しかし、滑降は途切れない。上部雪渓から20mほど歩いて、中間雪渓へ、最後の雪渓に繋がる雪の道を横切って最終ラウンド。ゲレンデのように滑らかに延びる広い斜面にロングターンで思い切りエッジを切り込み、願望だった富士の大滑降を締めた。  ガレの夏道を満足感に浸りながら下っていくと、夏の観光シーズンのような色とりどりの観光客のさざめきの中に包み込まれてしまった。




                                                     (長池記)

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2006年 千葉県勤労者山岳連盟 ちば山の会 
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