金山岩・四ッ岳山スキー報告

【山域】 北アルプス 金山岩・四ッ岳
【日時と天候】 2008年3月15日〜16日
【メンバー】 CL 菊池(TM)、岡田、田中(TM)
【行程】 15日 快晴 山頂で0℃前後  午前3時千葉発−平湯スキー場−スキー場トップ(1770m)9:20−平湯尾根−金山岩(2532m)山頂−ほぼ登りルートを滑走ースキー場ボトム16:30
16日晴れ一時曇り 2500m地点で0℃前後  平湯キャンプ場6:30−1580m付近大滝川徒渉− 北面台地ー2450m付近森林限界ー2500m付近より滑走−平湯キャンプ場15:30

焼岳と乗鞍岳は経験しているが、平湯近辺のハイグレード山スキーエリアはわが会にとっては憧れの的であった。陽春の好天に恵まれた3月15日金山岩、16日四ツ岳行ってきました。

 1日目:金曜夜発で1日目四ツ岳の予定であったが、土砂降りのため15日早朝発、1日目は楽なほうの金山岩に変更した。前夜の雨は標高の高いところでは数センチの降雪があった。リフトを降りると快晴のもと、樹林帯の向こうに真っ白な新雪に輝く四ツ岳・大崩山の素晴らしい景観が飛び込んできた。快晴無風、うっすら新雪に覆われたトレースを辿り平湯尾根を順調にシール登行を進めた。しばらくして急斜面を登り切ると雪庇が張り出し左がスパッと切れ落ちた細尾根となる。

ここからは笠ヶ岳から穂高連峰の雄姿が眺められ行動食休憩を取った。尾根は徐々に高度を上げていくが小さなアップダウンが数箇所ある。前もってシールワックスを塗っていたが団子気味になり、再度ワックスを塗った。2200mあたりから開けてきた右(西)斜面(下りには使用)を眺めながら、しばらく密な針葉樹の急斜面を登った。2200mあたりから重いパウダーが20〜30cm残っていた。森林限界を超えると台地状地形である。ここで先週も訪れたというハイピッチの名古屋のS氏に追いつかれ、言葉を交わした。彼は山頂をパスし今日もワサビ谷に向かう沢ルートに向かった。山頂まではシュカブラやクラストの急斜面でありアイゼン登行に切り替えたが、田中さんは初使用のテレマーク板仕様のスキーアイゼンで楽に山頂へ到達した。快晴無風の山頂から360度の大パノラマを堪能できた。さあ滑走である。初挑戦、気温もかなり上がっており雪崩が心配な沢ルートは選択せず、登行尾根ルートを下った。上部は林間の重パウダーランを少し楽しめたが、まもなく密な樹林帯、ブレーカブルクラストなどの悪雪に苦行の下りとなった。体力を使い切りようやくスキー場トップにたどり着いた。この分だと明日の四ツ岳長丁場は大丈夫かと不安を抱きながら、ゲレンデを下った。

 2日目:6時半キャンプ場発、間もなく沢沿いの急な尾根に突入、30度ほどもあろうか、なんとかシール登行できるが、キックターンでの踏ん張りがきつい。これ以上ガリガリでは危険であるが、なんとかクリアーできた。後発組みの富山駅前T主催のツアー隊10数名(T隊)がガンガン迫り追い抜いていった。テレマーク・アルペン・ボーダー混成チームであるが、足並みがそろいハイレベルが揃っていた。林間がやや蜜なところもあるが、概ね滑走には十分な林間をT隊を追うようにシール登行した。やがて徒渉地点、ブリッジはしっかりしており、対岸の急斜面をつぼ足で登った。急斜面と緩斜面を繰り返しながら徐々に高度を稼いだ。T隊に続いて森林限界付近では急な深雪急斜面を緊張しながらシールアップした。風も強くなり、曇天で予想以上に寒い。岩壁が迫る2500m付近でアイゼンでの登行を試みたがガリガリ部分もありギブアップした。山頂へのルート取りが良くなかったようだ。

 お楽しみの滑走は満足のパウダーランが標高差400mほど楽しめ、この陽春にしては大満足であった。T隊と相前後しなから下ったが、さすが隊長S氏のテレマークは超プロテクそのものであった。悪雪林間急斜面では横滑りを多用したが、前日とは打って変わって、満足のいく滑走が楽しめた。登頂はできなかったが、標高差1100mあまりのハードで充実した山スキーであった。還暦直前ではあるが、登頂ルートを検討し、条件の揃った激パウの時期に再度挑戦してみたい。

                                                (菊池 記)

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2008年 千葉県勤労者山岳連盟 ちば山の会 
http://www.chibayama.com