ちばやま

ちば山の会2003年3月

千葉市中央区弁天町5番地鶴岡方

Tel%Fax 043-255-9821



ネパール ランタン谷トレッキング山行報告 その1


参加者: 富樫(CL)、大塚(SL)、澤田(会計)、加藤(洋)(記録)
期 日: 2002年12月22日〜2003年1月3日
12/22 羽田〜関西空港〜上海経由〜トリブヴァン空港(20:00) カトマンドゥ(泊)
12/23 ガイドと打ち合わせ、市内観光、カトマンドゥ(泊)
12/24 トリブヴァン空港(13:10)〜ゴラタベラ(13:30)(3010M)(ヘリで移動)
12/25 ゴラタベラ(9:40)〜ランタン村(13:15)(3500M) トレッキング開始
12/26 ランタン村(8:30)〜キャンジンゴンパ(11:50)(3800M)、キャンジン・リ(小ピーク迄約4310M) (往復2時間20分)
12/27 チャルク・リ(途中迄約4500M)(往復5時間)、キャジンゴンパ〜ランタン村(15:55)(3500M)
12/28 ランタン村(9:00)〜ラマホテル(15:00)(2390M)
12/29 ラマホテル(8:45)〜シャブル(15:40)(2260M)
12/30 シャブル(9:10)〜ドゥンチェ(15:20)(1950M) トレッキング最終日
12/31 ドゥンチェ(7:10)〜カトマンドゥ(14:20)(車で移動)カトマンドゥ(泊)
1/1 市内観光、買い物等 カトマンドゥ(泊)
1/2 カトマンドゥ、トリブヴァン空港(12:20)〜香港(19:35) 香港(泊)
1/3 香港(10:10)〜台北経由〜成田(16:45)

12/22(日)
トリブヴァン空港で入国審査の直前ビザ取得のため1時間以上待つ。空港周辺の夜の街には自動小銃を持った兵士が立ち、送迎バスにてHサンセットビューへ向かう。

12/23(月)早朝濃霧、晴れ
早朝ホテル周辺の散策に出かける。交差点を渡ると野犬の姿が目立ち、路上の新聞売り、香辛料店等を窺いながら野菜市場方面に向かう。朝食後今回のガイドのリンジン・シェルパさんとタクシーでカトマンドゥ市の中心部タメルへ行く。市街地は往来する車、バイクでひどく混雑し事故が起きても不思議ではない。国立公園入域許可書を取得し、ククリ(山刀)、絨毯等を売る土産物店を覘き、ネパール料理店で昼食にする。モモ(餃子)、トゥクパ(スープ麺)、チョウメン(焼きそば)等を注文し、5名で576ルピーである(1ルピー=1.7円)。その後スワヤンブナート(ネパール最古の仏教寺院、猿が多い)、旧王宮前広場(クマリの館、シヴァ寺院、ハヌマンドゥカ)を訪れる。夜はホテルのご主人のアルジュンさんの案内でネパールの伝統的なダンスを楽しめるレストランへ。

12/24(火)晴れ、山岳地帯は霧
山岳地帯の霧が晴れず、ヘリコプター会社の事務所と国内線ターミナルで数時間待機する。1:10ようやく離陸。北に針路を取りやがて丘陵地帯の上空に差し掛かる。丘の頂上まで段々畑が迫り、ヘリは右に旋回し、ランタン谷の左俣に入ってゆく。ランタンリルン(7234M)の頂上が雲の上に見え隠れしているうちにヤクがのどかに草を食むゴラタベラに着陸する。所要時間約20分。ポーターのパサンさん、ダワさんと合流する。山々は雲に隠れていたがヤクの糞を避けながら石楠花、ツツジの潅木帯を散策した。ゴラタベラには2軒のロッジがあり軒先で土産物を売っている下の方のロッジに宿泊した。トレッキング中に宿泊したどのロッジにもタルチョ(チベット仏教の旗)がはためき、鶏が数匹放し飼いにされている。炊事小屋ではかまどに薪が燃え圧力鍋や香辛料、食器が整然と置かれ女主人が幼子をあやしながら食事の準備に余念が無い。食事はガイドやポーターが手伝うとは言え女主人の労力を配慮するならばなるべく同じ物を注文した方が良い。この付近の春巻とモモは同一でカトマンドゥの小さなモモ(餃子)と違って巨大である。夜はランタン・コーラの沢の音以外はいたって静寂である。

12/25(水)快晴
深夜何度か外に出ると満天の星空である。雲母を含んだ砂や石が月明かりに反射し異様に輝いている。今日からトレッキングの開始である。パーティーは我々4名の他、ガイド、ポーター2名計7名である。出発してすぐにチェックポストで許可書を提示し署名する。ランタン・コーラ右岸を遡る道は集落を結ぶ生活路でありヤクや牛も通り、よく整備されている。地元の人々は薪や食料等の大きな荷物を竹の籠に入れて額で支えて背負いサンダルで行き来している。約1時間後左に黒い岩壁を望めるタンセプで休憩を取る。ルート沿いにはバッティ(茶店)が至る所にありテーブル、椅子が置かれ温かい飲み物が飲める。ここでは顔が黒く白い毛の猿の群れが現れた。2回目の休憩場所では大空に悠然と舞う鷲が目に留まった。やがて高い樹木はなくなり、遥か前方にはガンチェンポ(6387M)が現れ、ランタン村が一望できるようになった。吊橋を渡るとランタン村の入り口である。ダルバートの昼食を済ませ高度順応のため村を見下ろせる東側の丘まで往復する。夜、松明を持って叫びながら走っていた人がいたがチベット仏教の祈祷師だそうである。

12/26(木)快晴
水車で動くマニ車、民家の庭先を通り、チョルテン(仏塔)と長いマニ石の壁の左側を通過する。ランタンリルンは北側の岸壁の後ろに隠れ、やがて大岩が点在する草原を思わせる広々とした台地にて休憩する。次の休憩場所では南側にナヤカンガ(5844M)の全容がようやく現れた。暫く平坦な道を進みキムシュン氷河から流れる川を渡ると最終目的地キャンジンゴンパに到着する。ゴラタベラからここまで本格的な登りは全くない。昼食後すぐ北側のキャンジン・リの小ピーク(約4310M)を目指す。雪は全くなく、踏み跡は多くあるがピークが目前なので迷うことはない。鞍部に達し左に少し登るとタルチョがはためくピーク頂上である。純白のランタンリルン(7234M)、キムシュン(6745M)が氷河に抱かれて圧倒的な迫力で迫り、東側にガンチェンポ(6387M)、広大な谷を挟んで南側にはナヤカンガ(5844M)が山頂から雪煙を上げ神々しく聳え立っている。遥か下の方には幅が広がったランタン谷の上流部に幾筋もの流れが光る。風も殆んどなく360度の大パノラマを満喫した。下山は往路を戻るが2人のポーターは走って駆け下って行く。夕食後は他のグループのガイド、ポーターも加わりシェルパ族に伝承する歌を歌い賑やかに過ごす。

12/27(金)快晴夕方霧
キャンジン・リのすぐ右側の白く見える山、チャルク・リを目指す。キャンジン・リの裾野を巻き崩壊した川岸を慎重に下りる。凍結しかかった流れに石を投げ込み足場を確保し徒渉する。再び崩壊した対岸をポーターに支えられ登る。広い尾根を暫く登るとやがて本格的な登りとなる。やせ尾根、岩場はないものの4000M以上の高地を登って行くには息が切れて思うように足が上がらない。高度障害による頭痛を訴える人もおり辛そうである。ゆっくりとカルカ(石積みの放牧小屋)の脇を通過し目前のピーク(約4500M)まで取り敢えず行き、様子を見ることにする。ピークは広い鞍部になっており、昨日よりは雲が多いが岩肌に雪を頂いた岩峰群を望みながらザクロを頂く。リンジンさんとポーターは大きな石を飛ばす遊びに興じている。驚くべき体力である。頂上は目前に見えるが登頂するには左から大きく回り込んで吊り尾根を登るということでこのピークから下山することにする。下山は往路を忠実に辿る。我々の体調を考慮し予定を変更してランタン村まで下ることに決めた。谷の下流の方から霧が迫り、ロッジに到着した頃には深い霧に包まれていた。


                         加藤(記)

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